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【経営者のスクリーン】第2回:「ゴッドファーザーPARTⅠ」1972年

鴻池 和彦 ( 株式会社cinepos 代表 )

(監督/フランシス・フォード・コッポラ 出演/マーロン・ブランド アル・パチーノ ダイアン・キートン)

映画「ゴッドファーザーPART1」は原作者であるマリア・プーゾがイタリア系アメリカ移民のマフィアをベースとしたコルレオーネ一家の壮大な物語、その脚本を書き下ろし、当時、新進気鋭の映画監督であったフランシス・フォード・コッポラの手によって1972年にアメリカ・パラマウント社で制作されました。そして世界中で大ヒットし、アメリカンニューシネマの金字塔となりました。

いつまでも朽ちることのない映画史に残る珠玉の一本に挙げられることも多い本作ですが、解説いたしますと――。

第二次世界大戦の勝利後、移民の国・アメリカの興隆の裏側には様々な事を影で取り仕切る存在・マフィアが幅を利かせていました。その頂点に君臨している存在こそイタリア系移民の出自をもつコルレオーネ・ファミリーでした。ファミリーを指揮するドン(ヴィトー)・コルレオーネは自らを“ゴッドファーザー”と呼ばせて権力と信頼を集める事に成功していたのです。

裏社会のみならず、政財界、エンターテイメント界とその力を欲しいままにしていたコルレオーネ・ファミリーに一つの転機が訪れます。それは麻薬取引による高収益ビジネスが他のマフィアグループからの共同事業として持ち込まれたのです。積極的であったドンの長男・ソニーの期待をよそに麻薬に否定的なドンは断ります。その一件により、コルレオーネ・ファミリーの権益分配をもくろんでいた他のマフィアグループはドンの暗殺へと掻き立てられ、ドンは一命を取り留めたものの、対立図式は首謀格であるタッタリア・ファミリーからの犠牲者とドンの長男・ソニーが殺害される報復合戦へと進むのです。さらにその前段で三男のマイケルはファミリーを守りたい一念で刺客を買って出ます。その結果、彼は国外逃亡を余儀なくされてしまいます。

この状況にドンの強い意志で休戦協定が図られますが、その火種は燻ぶり続くことになります。

マイケルは帰国後、ドンからトップの座を引き継ぐことになります。マイケルはドンを相談役に置き、様々な薫陶を受けていきます。そしてドンの死後、ドンが生前予見していた他のファミリーの野心の芽をマイケルは感じとるや否や、生まれたばかりの姪の洗礼式の日、他のファミリーのボスたちを軒並み暗殺強行するのです。ニューヨークにおけるコルレオーネ・ファミリーの力は比類なきものとなる反面、マイケルの人間性に信頼をし続けたいと思う彼の妻ケイの不安を浮き彫りにして、PART1は終わります。

映画「ゴッドファーザーPART1」の魅力は多種多様で語り切れませんが、圧倒的なキャスト力と設定・構成力がずば抜けて素晴らしいと言えます。家族という視点でマフィアを描くポイント、表層的なアクションに留まらない人間観、その洞察力に惹き込まれます。

この映画には数々の秀逸なダイアローグ(台詞)があります。今回、二点をご紹介いたします。

「家族を大切にしないやつは男じゃない」

この台詞はドン・コルレオーネの信条でもあり、家族あっての仕事であり、生きる縁に他ならない事を示唆しています。とかく仕事のために家族に我慢を強いりがちな普段の私たちにとっても、グッと響く文言です。

「わしは迷信深い。万一息子が事故に遭ったり警官に撃たれたり、あるいは首を吊ったり雷にうたれても、わしはここの誰かを憎む。そのときは絶対に許さん」

この台詞の背景は報復合戦収束のために休戦協定の席上、ドン・コルレオーネが放った言葉です。尋常ではない凄みで観る方の心までも響かせます。この是が非でも家族を守る、約束を違える事は絶対に許さないという強烈な覚悟でもあります。それだけ家族という概念を真剣に捉えていく姿勢は現代の私たちにも教示されるものがあります。自社の利益のために骨身を惜しまず働く、日本的な精神土壌は近年の休日の在り方や働き方を問う声へとある種の社会課題に昇華しました。

前回と合わせて、家族というフィルターを通して、作品考察していきましたが、共通して言えるのは上に立つものへの‘孤独‘の理解です。日々、経営者は何らかの判断を下していきます。その判断が正しかったかどうかは結果でしか示す事はできません。言い換えれば判断の根拠となる信念の強弱は多様な意味も含めて、守るべきものが有るか無いかの違いなのかもしれません。そしてトップの度量とは、家族愛を考えられる人間であるべきだと、それは否定できないと感じることでしょう。

寄稿者の写真 鴻池 和彦 氏のプロフィール

1971年下関市生まれ。1993年円谷プロダクション入社。
その後、東北新社、ギャガ・コミュニケーションズ等で企画・制作・プロデュースに従事。
2005年下関帰郷後、下関大和町郵便局長を務める傍ら、
これまで培った映画製作方法論を活かし映画制作cinepos(シネポス)を設立。
映画・CM・PVと映像制作は多岐にわたる。2016年6月に株式会社cineposを下関にて起業。
主なプロデュース・脚本・監督作品
「MAIL」(出演 須賀貴匡、栗山千明 ※プロデュースのみ)
「雨の町」(出演 和田聰宏 真木よう子 成海璃子 ※プロデュースのみ)
「センシティブ」(出演 小山田サユリ 春永由香 仲慎太郎)
「ソロウ・オア・スマイル」(出演 角島美緒 ロバートニシムラ MARIA)
「ここに、いる」(出演 伴大介 高樹澪)

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