%e3%82%b3%e3%82%b9%e3%83%a2%e3%82%b9 エッセイ連載 photo by Shin Tamura

【社長のための金融機関との対話力】預金、融資、為替、リースや投資信託等の付随業務、行員の仕事

小林 昭康 ( 中小企業診断士 )

こんにちは、中小企業診断士の小林です。前回に続き、金融機関の業務について話をしていきます。
金融機関の主な業務といえば、預金、融資、為替です。その他、店頭でよく見かけることがあると思いますが、投資信託やリース等の付随業務があります。
一つの流れで見ると、お客様から預金してもらい、それを資金として融資、運用することにより収益を上げる「サービス業」になります。

経営者にとって一番気になるのは、もちろん融資でしょう。「お金を借りる」という考えですと、返さなければならないという意識が働き、「借りる」というのは消極的なイメージがあるのではないでしょうか。ですが、融資も一つの「サービス」と考えれば、「借りる」のではなく、利息という手数料を払って、お金を「買う」という見方もできます。こうしてみると「融資」に対して、これまでと違ったイメージを持つことができるのではないでしょうか。融資の詳しい話は次回以降にしますので、今回は預金のことに少しふれておこうと思います。

預金には多くの種類がありますが、代表的なものとして普通預金当座預金定期預金積立預金があります。低金利の時代ですので、定期預金の金利は低くなっていますが、金融機関から勧められて預金をすることも多いのではないでしょうか。多くの場合、定期預金をすることは何ら問題ありませんが、借入金が増えてきている時などは少し注意が必要です。金融機関は借入金の返済をより確実なものとするための財源としてとらえ、解約する時には通常より強い引き止めにあう可能性があるということを覚えておいてください。

それともう一つ、金融機関にとって定期預金、積立預金を重視する理由があります。金融機関はそれぞれの企業に対する「実質金利」を見ています。例えば、企業が1,000万円を金利2.0%で借入し、一方で500万円を金利1.0%で定期預金をしたとします。自社のお金を一定期間預け続けなければならないということは、自社の手元にお金がないということと同じことですので、企業にとっては、実質的に1,000万円-500万円=500万円を借入していることになります。支払う利息は20万円/年、受け取る利息は5万円/年になりますので実質的に支払う利息は15万円、「実質金利」は15万円÷500万円=3%になります。つまり、定期的にお金を預けていると、融資の実質的な金利は高くなり、金融機関にとっては大きなメリットになります。定期預金、積立預金をするときには少し立ち止まって考える機会を持ってほしいと思います。

皆さんがよく会う渉外担当の職員は、主に最寄りの支店に所属していると思いますが、支店には、支店長をトップに、支店長代理、課長、係長、主任等の役職があります。同じ役職でも金融機関によって役割が異なる場合もありますので、序列が分からない場合は職員に聞いてみてください。融資に関する決裁権限を持つのは支店長ですが、高額なものについては、本店の決裁になります。ただし、支店によって支店長が決裁できる金額が異なる場合があります。複数の支店をとりまとめる地域の母店は、役員が支店長をしている場合があり、そうした支店の決裁金額はより大きくなります。

職員は、多くの金融商品を取扱っていて、日々お客様のお役に立つ商品を紹介しています。最近では、移住者向けローンやレノファ山口を応援する預金など、地域活性化に貢献する商品も出てきていますので、たくさん紹介される機会もあると思います。

融資のことについても渉外担当の職員を通じて相談することが多いと思いますが、経営者の皆さんはどのように相談されていますでしょうか。
いきなり融資してほしいと伝えますか? 社の経営状況を長い時間かけて、丁寧に説明しますか? どのような相談のやり方であっても、必ずしていただきたいことは、きちんと決算資料、事業計画等の資料を見せることです。
どのような企業においても、稟議をする場合には、必ず書面をもって上司、社長まで内容を説明するはずです。金融機関においても、経営者から直接話を聞くのは渉外の担当者ですが、最終的には支店長、本店と稟議を回す必要があり、必ず稟議書を作成します。資料としては、決算書や経営者から聞き取った情報のほか、月次試算表、資金繰り計画表、設備投資計画、事業計画等を付け加えることが望ましいとされ、準備には大変な時間が必要になります。
そこで、経営者自ら決算書以外の財務資料と、借入の必要性を説明する計画書等を渡すと非常に喜ばれます。経営者にとっては自社のことを詳細に知ってもらい、借入の必要性についてしっかり理解してもらえますし、金融機関にとっては稟議書の作成や、説明の時間が大幅に短縮されます。

金融機関が判断するために何を必要としているか考え、判断のための材料を提供することを心がけてみてください。結果的に融資決定の近道になると思います。
できれば融資の相談の時だけでなく、定期的に決算資料等を金融機関に持参し、自社の経営状況を常に知らせておくとより良いです。

金融機関へ訪問するときには、アポイントは無理に取らなくても、まずは足を運んでみてください。できれば、5と10のつく日、月末は避けて、午前中に行くと比較的対応してもらいやすいと思います。

次回は、融資について詳しくお話ししたいと思います。

寄稿者の写真 小林 昭康 氏のプロフィール

山口市役所において、都市計画やまちづくり等の地域活性化をはじめ、創業や販路開拓、融資等の中小企業支援を担当。2016年、中小企業診断士としてYMSを開業。売上拡大や事業の立て直し、資金調達等、中小企業の経営課題に経営者とともに向き合い、誠実かつスピーディに解決へ導くとともに、中小企業自らの解決力・成長力を高めるサポートを行っている。

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