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ブログ 浜辺の事務所から

日々の出来事を徒然に綴っています。

ブログ 浜辺の事務所から 第176話

「ルールだから従ってしまう心理」の危険性

公開日
2018.09.07
投稿者
松崎 舞子( 弁護士)

校則における髪型や服装等の過剰な規制が「ブラック校則」として問題視されるようになりました。

髪が肩についたらしばる,パーマや髪染め禁止の関係でくせ毛や髪色が地毛であることの証明を求める,スカートの長さはひざ下,暑いときに顔や体をあおいではいけない…といったものが「ブラック校則」として取り沙汰されているようです。

 

自身の学生時代を振り返ってみると,同様の校則がありましたが,現在のように問題視されるまでには至りませんでした。

よく考えると合理性のない規則もあるけれど,抗議をしたところで簡単に変えられるものでもないし,学校ともめて成績や進路に悪影響が出ても困るので,何も言わない,という意識があったように思います。

服装や髪型の規則は,絵付で生徒手帳に記載されており,入学前や在学中に読み込んでいた記憶があります。「規則だから守るもの」という意識から,合理性はともかくも守ろう,という心理だったのでしょう。

 

ただ,今思えばこうした意識は危険性も孕んでいると感じます。

動いたところで何も変わらないだろうから自身が我慢をする,というのでは問題のある状態を認容しているのと変わりません。

また,ルールに従うことは精神的に楽ですが,それは同時に思考停止に陥ることにもつながります。

かたや,弁護士は不合理な法律や制度の改正を求めるといった,こうした意識とは真逆の方向の活動もする職業です。自身が今弁護士となっているのは当時の反動からでしょうか…。

 

校則について,裁判で争われた例もあります。

昭和60年頃,裁判で中学生男子の髪型を丸刈りのみとする校則について争われた例では,校則は憲法違反ではない,との判断がなされました。

また,高校生がバイクの免許取得及び乗車禁止の校則やパーマ禁止の校則を守らなかったため退学させられた例では,退学処分の手続きが問題の中心であり,校則自体は,非行防止などの理由から違法ではない,との判断がなされました。

未成年者の自由については,判断能力が未熟であり,大人が価値判断の枠組みを設定することで未熟さゆえに生じる利益侵害・過ちを防止するという方向で自由を制限するという考えがあります。校則はこの考え方に基づく側面もあり,適法違法の判断が難しい分野のように思います。

 

学生時代は学校=社会であり,他の比較対象に目を向ける機会が少なくなりがちです。社会に出てからでも,自身にとっての社会・世界が狭ければ,直面している問題にすら気付かないことがあります。

知見を広げることの重要性を改めて感じるところです。