初回無料相談はこちら

なぜ、あの経営者は労働問題で悩まないのか?

弁護士 島田直行 のブログ

-弁護士に相談するべき経営者の労働問題とは-

経営者のための労働問題ブログ 第101話

「指示待ち社員ではなく指示できない社員」こそ問題の本質だ。

公開日
2018.04.09
投稿者
島田 直行( 島田法律事務所 所長弁護士)

「最近の若者は,指示待ちが多い」と言われるが本当にそうだろうか。

冷静になって考えてみると新人が勝手に自分の判断で何でもやってしまうとかえって困ってしまう。上司の不満は,おそらく指示を「待っている」ことではない。不満の多くは指示待ちのことに対する不満というよりも上司が予定したことを部下がうまくやってくれないことに対してだろう。

こういった上司の不満の根底には,「ある程度のことを説明すれば,準備は全部してくれるはず」という甘い上司の期待がある。日本人は,とかく阿吽の呼吸といったものを大事にしている。明言を避けてわかってもらうということだ。でも経験のない新入社員に阿吽の呼吸を求めるのは,そもそも間違ってる。「指示待ち社員ではなく指示できない社員」こそ問題の本質だ。

指示できない社員の部下は,なかなか成長できない。指導のベクトルが決まらないからだ。人の成長は,個人のポテンシャルよりもたぶんに人間関係を初めとした環境の影響が強い。うまく指導できない上司のもので勤務する人は,せっかくの成長の機会を失っている。では部下の育成がうまい人はどういう指示をしているのか。個人的経験から検討してみよう。

作業の目的を明示できるか

まずは,「なぜこの作業が必要なのか」という目的をはっきりさせることだ。「これやっておいて」では,部下としても単純作業としか評価しない。誰だって単純作業ばかり強いられるのは辛いしやる気も失せてしまう。作業だから改善を考えることもない。そもそも目的が決まらないから改善をしようもない。目的がないというのは,ゴールがないまま歩きだすのと変わらない。

よくあるのは上司自身が作業の目的をわかっていないということ。目的がわからないから結局指導のしようがないのだろう。作業が事業においていかなる位置づけにあるのかを知っておくことは,社員の帰属意識を高めるうえでも必要なことだ。

指示に動詞が含まれているか

だめな上司に限って指示のなかに具体的な動詞が含まれていない。「うまく」「とりあえず」「参考にしながら」といった曖昧な言葉ばかりが指示内容になっている。行間を読むということはビジネスの世界ではなりたたない。指示というのは,誰が聞いてもわかるものではなければ意味がない。聞く側の経験から推測しなければいけないような指示は指示ではないだろう。

とくに指示というのは,相手になにかを「してもらう」ためにある。つまり動いてもらってなんぼのところがある。それなのに指示には具体的な動詞が含まれていないケースが多い。それでは情報を受け取った側としてもなにをするべきなのかわからない。大事なことは,動詞による表現。

指示ひとつでも企業の質はわかるものだ。