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なぜ、あの経営者は労働問題で悩まないのか?

弁護士 島田直行 のブログ

-弁護士に相談するべき経営者の労働問題とは-

経営者のための労働問題ブログ 第71話

優れた経営者には,共通する感覚があります。

公開日
2017.11.28
投稿者
島田 直行( 島田法律事務所 所長弁護士)

中小企業の経営は,科学的であるべきです。科学的とは,再現性があるということです。「これをこうすれば,こうなる」というモデルを増やしていくことが事業を短期的に拡大していくうえでは必要となります。

ですが経営をしていくなかでは,経営者の感覚が絶対的に必要なところがあります。論理的にうまく表現できないが「これはいい」「これはまずい」という感覚です。この感覚こそ経営の個性をうみだすものになります。私もこの感覚を身に着けたいと考えるのですがなかなかうまくいかずに悩んでいます。

優れた経営者には,ひとつの共通する感覚があります。それは適正人員に対する感覚です。

少なくない中小企業の経営者は,とりあえず人手が足りないからと増員しがちです。事前に「我が社のビジネスもであるから何名の社員が必要か」という適正社員数から考える方は少数派でしょう。材料などは売上から逆算するのに人材についてはいつも「不足気味」ととらえてしまいます。結果として人員が肥大化しがちです。

そもそも適正社員数をどのように考えるかすら決まっていないところもあります。なんとなく人手が足りないから採用するということも多いです。ですが人手不足の著しい現在で新規に人を増やすことは容易なことではありません。むしろ固定費が上積みしていくために増加した費用をまかなうだけの売上を確保せざる得なくなり経営に無理を強いることになりかねません。

優れた経営者は,なにをもって適正人員とするかについてがなんとなく感覚的にわかっています。そして安易な人材の増加は,かなりのリスクをともなうことも肌感覚でわかっています。

例えば年収300万円の人を採用したとしましょう。この場合には人件費300万円のほかに社会保険の負担あるいは備品などの経費も付随的に発生します。さらに粗利率が50%なら600万円の売上をさらにあげないと人件費すらまかなえません。市場が縮小していく日本で人を増やすことであたりまえのように売上も増やしていくことができるでしょうか。冷静になって考えてみてください。

私は,これからの時代には人手に頼らない事業こそ継続的な繁栄に必要と考えています。売上を高めつつも労働分配率を圧縮させていくようなビジネスです。労働分配率を圧縮させることは,必ずしも人件費の総額を下げることではありません。

社員一人当たりの人件費は増やしつつも人件費の総額を圧縮させるようなイメージです。「そんなことできるか!」と言われるかもしれませんが実現している方はいます。

あたりまえのことですが社員は,社員が増えることよりも収入が増えることこそ大事です。そのためにも安易に採用に頼るのではなく「なにをもって適正人員とするのか」をしっかり考えたうえで採用の方針を定めてください。