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ブログ 浜辺の事務所から

日々の出来事を徒然に綴っています。

ブログ 浜辺の事務所から 第108話

国際信州学院大学という架空の大学からみる「だまされる心」

公開日
2018.05.16
投稿者
島田 直行( 所長弁護士)

このところ国際信州学院大学という架空の大学の情報が話題になっています。ホームページも作り込まれており一見すると信州のどこかにある大学のような印象を受けます。でもこれまったくの架空の大学です。これを信じた人がいろいろ情報を拡散して「デマかユーモアか」でいろいろ議論されています。現実と虚構の区別がしだいにわからなくなるというのは,すぴるばーくの「レディプレイヤーワン」のテーマになっています。

誰だってだまされたくないです。だまされたことは,負けたこと。そんなことは自分のプライドが許さないでしょう。でもだまされてしまう人がいます。どれだけ「だまされないように」とアドバイスを受けても気がつけば財産を失ってしまうことは珍しくないです。

オレオレ詐欺をはじめとした特殊詐欺の被害額は,平成29年に約390億円とされている。だました人が悪いのですが「なぜだまされるのだろう」という疑問もあるかもしれない。そういう疑問こそだまされる大きな原因です。

自分への信頼こそがトラップに

そもそもだまされる人は,自分は「正しい」という錯覚をしています。

交渉においてどういうタイプが相手としてやりにくいかといえば,「自分は正しい」という陶酔状態にある人です。言ってることが無茶でも本人は正しいと判断しているので譲歩もなにもありません。このタイプは円満に解決しようとしてもなかなかうまくいきません。

自分が正しいと考えている人は,いったん自分が実行した判断を冷静に見ることができなくなります。「自分に間違いはない」というスタンスですから修正をするということができないわけです。だますがわとして自分に自信がある人こそだましやすい人として映ります。

「自分は正しい」と声高に述べる人は,間違っていることが多い。そもそも「なにをもって正しい」とするのかも本来ははっきりしないはずです。自分の価値観に合致しているものを「正しい」といい合致しないものを「正しくない」と評価しているにすぎません。

こういう人は「自分がだまされた」という事実を認めることができません。周囲からアドバイスされるほどに「みんなが間違っている」という泥沼にはまり被害が拡大することになります。「もしかしたら自分はだまれているかも」と感じても「自分の間違いを認めるわけにはいかない」と疑問を自分で打ち消すことになります。

とりあえず第三者に声かけてみる

「だまされないように頭を冷やせ」と言われますが実際には簡単には冷やせません。だます側としては冷静にならないようにあえて興奮するように話をまくしたてます。人間立て続けに情報を浴びるようになるとしだいに判断できなくなります。情報を提供する側と受容する側に固定化するともはやサンドバック状況です。

だまされないようになるには,とにかく第三者に意見を聞いてみることにつきます。フラットな人に意見を聞くだけで「なんだか違うのでは」と気がつきます。だます側としては,第三者が首を突っ込んでくることを嫌がります。ですから「他の人には相談してはいけない」などと意図的に孤立的な立場にもっていきます。独居老人が被害にあいやすいのも同じです。

右手にペンを左手に特売チラシを

ケースによってはなかなか他の人に相談できないときもあるでしょう。そういうときに効果的なのはとりあえず自分の考えを書きだすことです。サインペンをもって特売チラシの裏でもいいのでひたすら自分の考えを書きだすことです。理路整然ではなく筆の赴くままに書くことがポイントです。考えると何も書けなくなります。

書きだすことで自分が考えていることが見えてきます。この可視化することではじめて自分を客観的に見ることができます。自分を客観視するというのはぐるぐるあまたのなかで考えるだけではうまくいきません。書きだして眺めてみることで「これてなんとなくおかしくないかい」と判断することができます。

だまされないためにはまずは自分を疑ってみることです。