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なぜ、あの経営者は労働問題で悩まないのか?

弁護士 島田直行 のブログ

-弁護士に相談するべき経営者の労働問題とは-

経営者のための労働問題ブログ 第73話

成果主義はそれほど簡単ではない

公開日
2017.12.05
投稿者
島田 直行( 島田法律事務所 所長弁護士)

経営者から「うちも成果主義をもっと導入したい」と相談を受けることがあります。生産性向上が声高に述べられる昨今,成果主義導入でもっと社員のモチベーションを高めたいというのが経営者の考えでしょう。

ですが中小企業に成果主義を導入することは,それほど簡単ではありません。中途半端に導入してかえって混乱するケースが多いです。

根本的な原因は,個人の成果を評価することの難しさにあります。大企業の場合には,プロジェクトごとに人があてがわれるので個人の成果あるいはチームの成果といったものが評価しやすいです。ですが規模も人員も制限されている中小企業の場合には,「みんなでひとつの仕事」をしています。そのため誰が何を成果として達成したかは容易ではありません。とくに経理といった間接部門の評価になればなおさら難しいでしょう。

いくつきさきはなんとなく社長の好き嫌いの評価になってしまいます。それでは成果主義という客観的な指標がなくなってしまいます。

それに成果主義を導入すると社内間での競争関係もうまれてきます。小さな事務所でぎすぎすするのは誰にとってもいいことではありません。

賃金は,社員にとっての生活の糧です。基本給は,年功序列をベースにするのが適切ではないかと考えています。そのうえで個別の実績については,賞与で評価するというシンプルなシステムが中小企業にとってバラスンのとれた設定でしょう。

この賞与における評価については,経営者としてもじっくり考えるべきです。はっきりいいまして万人が納得できるような人事評価というものはありません。最終的には社長が評価を決めることにはなります。

そのときにきちんと社長の言葉で評価の内容を表現できるようにしておくべきです。なんとなく金額決まったというのであれば社員としてもいったい何を評価され何を伸ばすべきか皆目見当がつきません。

評価というものは,表現できないと意味がないわけです。せっかくの賞与ですからぜひもういちどご自分の言葉で表現できるように考えてみてください。社員が求めているのは,「社長に評価してもらっている」という感覚です。