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ブログ 浜辺の事務所から

日々の出来事を徒然に綴っています。

ブログ 浜辺の事務所から 第151話

裁判手続のIT化について思うこと

公開日
2018.07.09
投稿者
松崎 舞子( 弁護士)

ビジネスシーンではペーパーレス化,TV会議,電子決済の利用等効率化が定着しつつある中,裁判手続は紙ベースでの資料提出,当事者や弁護士の出頭,郵券納付による支払といったアナログな手法が主流です。

そうした状況の中,政府の提言により,裁判手続の効率化が進められようとしています。

政府提言によると,「3つのe」と称して,主張・証拠の提出,事件管理,法廷の場面をIT化することが計画されています。

裁判の記録はデータで管理され,裁判所への出頭はテレビ会議等で代替,裁判費用の電子決済,といった内容です。

普段業務をしていてIT化によるメリットを感じるのは,出廷のための移動時間の削減やペーパーレス化です。

山口県内で裁判が行われる場合でも,事務所から片道1時間以上かけて移動することは日常的です。この場合で裁判期日自体が5分程度で終わるというときには,裁判所での仕事をしに行くというよりは移動が仕事のように感じます。

大雪や大雨の場合には,自動車も公共交通機関も不通となり,裁判所に行くことができないという場合もありますので,天候を心配する必要がなくなることもメリットといえます。

このあたりは,地方の事務所ゆえに感じるメリットかもしれませんね。

また,主張や証拠の提出についても,現状では紙ベースだと郵送や持参のためにこまごまとした時間が取られることや,相手方からFAXで届いた証拠が不鮮明で見えにくく,鮮明なものの到着を待つといったことに若干ストレスになります。

ちりも積もれば山となる,ということで,こうしたわずかだけれども手間になる時間の削減ができるのもメリットに感じます。

他方,インターネット環境等を利用できない方にとっては,IT化は裁判を受ける際の障壁ともなりえます。

特に,弁護士に依頼をせずに対応をされる方に対しては,物理的に機器等を利用できる環境,手続の利用方法の十分な説明を受ける機会を整備していくことも必要でしょう。

弁護士に依頼すればIT化に伴う障壁は緩和される,とも考えられますが,憲法上裁判を受ける権利は何人にも保障されていることからすると,各利用者のニーズへの対応も重要です。

裁判手続のIT化により,簡略化すべき部分は簡略化することで,事件をより丁寧かつ迅速に解決に導くことが弁護士の活動として求められると思います。手続の変更への対応と同時に,心構えも新たに取り組んでいきたいです。