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なぜ、あの経営者は労働問題で悩まないのか?

弁護士 島田直行 のブログ

-弁護士に相談するべき経営者の労働問題とは-

経営者のための労働問題ブログ 第72話

視点を変えて見ないとわからないこと

公開日
2017.12.01
投稿者
島田 直行( 島田法律事務所 所長弁護士)

僕は,中小企業の経営者側の代理人として労働事件に関与しています。経営者側の代理人をするからこそあえて労働者側の代理人の先生方の書かれた本を読むようにしています。これは一見すれば矛盾するように感じるかもしれませんが必ずしも矛盾するものではありません。

労働事件にしても「事実」としてなにがあったかたはひとつです。あるとすれば,それをいかに評価するかという相違です。経営者側の視点もあれば労働者側の視点もあります。

僕にとっては,この評価の相違を整理して双方が納得できる妥協点を見出すことが労働事件を解決することです。妥協点を見出すためには,やはり労働者側からの考え方をしっかり学んでおくべきです。相手の考え方を知ることなく交渉を始めてもいつまでも平行線のままで問題の解決には至りません。

このような物事を多面的にとらえるということは,あらゆる分野で必要なことでしょう。ですが多角的にとられるということは,言葉で表現するほどに容易なことではありません。人間には,とかく自分の考え方に固執する傾向があります。ですから多角的に見たといってもあくまで自分の考え方を基礎にして他者の意見を聞いてみたというだけのことも少なくありません。虚心坦懐に物事をとらえることは,意識しなければうまくいかないものです。

ブラック職場 過ちはなぜ繰り返されるのか? (光文社新書) 
笹山尚人 (著)

この本は労働者側の先生が現場の問題点をコンパクトにまとめられた一冊です。労働者側の視点を学ぶうえでも参考になります。

本のなかでは,労働法規制について学校でもっと教えるべきという指摘がなされています。これについてはまったくの同感です。労働法制の仕組みを学ぶ機会が日本ではあまりにも少ないです。結果として労働法制をよく理解しないまま経営がなされているところもあります。「はたらく」ということは,人間の生活の主要な部分を占めています。だからこそ教育プロセスで注力するべきでしょう。学ぶことは,労使ともにメリットがあるはずです。