クレーマーからの電話に対応するときに絶対に外してはいけないポイント

投稿者:
島田 直行(弁護士)
2017.07.02 クレーム対策

 クレーマーからの対応でもっとも相談が多いのが電話対応についてです。クレーマーは,自分の要求を貫くために時間関係なく執拗に電話をしてくることがあります。人は,電話が鳴ると「対応しないと」というスイッチが入ってしまいます。自分の仕事をしようとしてもクレーマーからの電話に忙殺されてしまって身動き取れなくなることもあります。クレーマーからの電話への対処法について確認しておきましょう。

なぜ電話対応に疲弊してしまうのか

 多くの担当者が「電話が怖い」と言って相談に来所されます。電話はいつでも相手と直接コンタクトをとることができる便利な道具です。便利な道具は,クレーマーにとっても便利なものです。書面と違ってなにひとつ用意することなく担当者にすぐに連絡をすることができます。しかも電話を受けた人は,いくらクレーマーと言えども条件反射的に電話にでてしまいます。「電話にでない」というのは文字にすれば簡単ですがいざ実際にやろうとすると結構なストレスになります。それで電話にでてしまうとクレーマーの思うつぼにはまってしまいます。

 クレーマーは,時間関係なく電話をしてきます。電話にでなかったことすら怒りの理由にしてきます。「他の用事があってでることができなかった」と説明しても納得する気持ちがそもそもありません。クレーマーにとっては,自分の思うように対応しなかったこと自体がすべて問題になります。ですからクレーマーは,自分の要求が通るまで何度も同じ内容の電話をしてきます。いくら懇切丁寧に電話対応をしても納得することはないでしょう。

 しかもクレーマーとの電話交渉は,正直なところ生産的に積み上がっていくことはありません。同じところを堂々巡りだけしていることがままあります。結果として長時間にわたり批判の対象にされてメンタル的にも過度の負担を担当者が背負うことになります。

電話にでないことも解決策のひとつ

 電話と言えどもルールというものがあります。自分の言いたいことがあるからといって時間関係なく電話をしていいというものもありません。まして執拗に電話をして業務に支障がでれば威力業務妨害罪といった犯罪にもなります。

 クレーマーからの電話については,できるだけ電話のあった内容を記録しておくことです。こういった記録は,事後的に裁判あるいは告訴するときの根拠になります。

 そして会社としてもはや同じことの繰り返しと判断すれば,電話にでないという姿勢をとるべきです。クレーマーは,相手が電話にでるからこそ執拗に電話をしてくるというところがあります。ですから逆に電話にでなければしだいに収束していくことが多々あります。もちろん「なぜ電話にでないのだ」と激高して連絡してくるときもありますが時間とともに諦めに変わっていくようです。

 問題はどの時点で電話対応を切るかということです。これについては事前に弁護士の方に相談することをお勧めします。概要としては,事前に会社として説明責任を尽くしたことを確認したうえで「今後は電話にでません」と書面にて通知することになります。あとは着信拒否などの対応をすることになります。

 電話には,「するしないの自由」があるように「でるでないの自由」があります。電話がかかったからでないといけないという法律はありません。

携帯番号を教えない

 担当者のなかには,クレーマーに携帯番号を教えている人もいます。私としては,こういった携帯番号は基本的に教えるべきではないと考えています。

 クレーマー対応は,基本的に組織として対応するべきものです。特定の個人が担当者として標的になることは避けるべきです。そういった観点から見た場合には,携帯番号というのは特定の個人と紐付けされるものです。組織から個人が切り離されるとクレーマーとしては交渉をスムーズに展開させることができます。

 そのため携帯番号は利用せずに会社の代表電話などを利用するようにしましょう。まして個人の携帯番号を教えるようなことは絶対に避けましょう。

 こちらでは,その他のクレーマー対応についてもアドバイスを記載していますのでご覧ください。