クレーマーへ書面で回答するときに心がけるべき3つのポイント

投稿者:
島田 直行(弁護士)
2017.07.05 クレーム対策

 クレーマーとのやりとりは,証拠を残すためにも面談や電話ではなく書面でのやりとりに落とし込むこむようにするべきです。電話などで対応を継続しているといつまでも電話が終わらずに業務に支障がでてしまいます。しかも最終的には「言った言わない」という結論になってしまって会社にとって不利な立場におかれてしまいます。もっともポイントを抑えずに書面でのやりとりにすることもまたリスクがあります。クレーマーとのやりとりにおける注意点を3つ指摘おきましょう。

書面でのやりとりにすることを明確に通知する

 書面での対応に落とし込むときにまずやるべきことは,「今後は電話ではなく書面での対応に一本化する」と言い切ることです。

 これまで電話や面談で疲弊してきて担当者にとって書面でやりとりできることはストレスの軽減になります。「書面のやりとりだけですむ」となると担当者としてもすぐに実行したいと考えるでしょう。ですが難しいのは,どうやってこれまでの経緯から書面でのやりとりに切り替えるかです。電話などで対応してきたにもかかわらず一方的に書面でのやりとに切り替えると言ってもクレーマーは納得しないでしょう。むしろ余計に電話などの攻撃を激しくするかもしれません。それでも書面で対応するとなれば,その姿勢を崩すべきではないです。

 最悪な対応は,書面でのやりとりを求めながらクレーマーに威圧されて電話などでのやりとりを維持することです。こういう曖昧なスタンスだとクレーマーとしても「この人はプレッシャーをかければどうにでもなる」と認識してさらに要求してくるでしょう。

 こういった曖昧なスタンスにならないように「今後は書面でやりとりする」ということを書面できちんとクレーマーに通知するべきです。それによって反発を受けたとしても気にしないことです。書面でのやりとりが許されない理由などありません。この言い切ることが担当者にとっても自信になります。

 書面でのやりとりをするときには,「当社のスタンスを責任をもってお伝えするため」という理由も述べるようにしましょう。クレーマーは,たいてい「なぜ手間と時間のかかる書面なんだ」と苦情を述べてきます。

内容は必要最小限のものとする

 クレーマーからの質問事項に対しては,できるだけ書面にて回答しましょう。これは事後的に裁判になったときに会社としていかなる説明をいつしたのかに関する証拠として利用するためです。

 クレーマーに対する書面は,いったん説明を尽くしたと判断した場合には必要最小限の内容にしてください。クレーマーからの質問に対して詳細に説明をすれば,さらに揚げ足をとってくることがよくあります。回答をしても「次はこの質問に回答しろ」といつまでも質問ばかりが続いて終わりがなくなります。こういった経験はいちどクレーマー対応に巻き込まれた方であれば「あるある」でしょう。

 問題は,なにをもって必要最小限の回答とするかです。あるいはどこかで「もはや回答しない」という判断をするかです。ここを間違えるとトラブルの拡大になるので慎重に対応してください。自分で判断して動く前にいったん弁護士に意見を聞いてみることをお勧めします。

 自分で「このくらいでいいだろう」と判断すると説明不足という認定を受けることもあります。説明責任を果たしつつ余計なことを書かないというのが理想的な対応です。

内容証明郵便を活用する

 いかなる説明をしたのかを記録にしておくために普通郵便ではなく配達証明付きの内容証明郵便を活用するのもひとつです。

 普通郵便では,どのような書面を実際に送付したのか事後的に立証することができません。配達証明付きの書面であれば相手に届いた日時はわかりますが内容までは明らかにされません。クレーマーが裁判などで「そんな書面は来ていない」と主張すると対応に苦慮することになります。

 こういう事態に陥らないようにするためには,たんに発信だけではなく内容まで郵便局が担保してくれるものが有効です。それが配達証明付きの内容証明郵便になります。内容証明郵便は,実際の訴訟でも証拠として活用されることがよくあります。それほど便利な制度です。

 ただし内容証明郵便は,どこの窓口でも対応しているわけではありませんので事前の確認が必要です。しかも文字数などにルールがあるので事前に調べてから作成してください。弁護士に依頼すれば作成してくれます。

 こちらのページではクレーマー対応について詳細に記載していますので参考になさってください。