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ハラスメント

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クレーマーとの交渉を有利に進めるための3つのポイント

島田 直行 弁護士:島田 直行 投稿日:2017.08.01


 相手方が明らかに根拠のない言いがかりをつけてくるのであれば、相手にしないというのがもっともシンプルな解決方法です。ですが実際の現場では、こちらにも何らかの非があることがむしろ一般的です。クレーマーは、ちょっとした非について鬼の首を取ったように大きな問題のように展開していきます。こういったときにクレーマーとの交渉を有利に進めるためには、3つのポイントがあります。

謝罪を強要させることなどできない

 クレーマーは、ちょっとした問題点でも苛烈に指摘して謝罪を要求してきます。ときどき土下座まで強要したとして社会問題になっています。そこまでいかずとも「直ちに自宅に来て謝罪しろ」とか「謝罪すらできんのか」とすごみをきかしてくる人はいるものです。

 自分に非があれば認めて謝罪する。それは大人として立派な態度といえるでしょう。ですが謝罪というのは、あくまで自発的な内省からなされるべきものです。外部から「謝罪しろ」と言われてしぶしぶ謝罪するというものではありません。まして謝罪を強要されるというのは本来予定されたものではありません。

 つまるところクレーマーが強烈な謝罪を求めてくるのは、精神的に自分を優位なポジションにおいて悦に浸りたいからです。人間の感情は、自分の行動に多分に影響を受けています。悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しいのであるという言葉によく表現されています。同様に人間は、いったん謝罪してしまうと理由の有無に関係なく自分の非があるように感じてしまいます。こうなってくるとクレーマーにすでに飲み込まれつつあります。

 ですから根拠のない謝罪には応じる必要はないと心がけてください。そもそも事実関係も確定していない段階では誰にどのような責任があるのかあいまいな状況です。あいまいな状況だからこそクレーマーに声大きく言われると「自分にも問題があるのではないかと」という気持ちになります。事実関係に争いがあれば裁判で決着をつければいいだけです。なんでもかんでも謝罪をする必要なんてありません。「どうぞ訴えてください」というくらいの気持ちで十分です。

具体的な要求内容を明示させる

 クレーマーは、とかく気勢をはって「誠意を見せろ」「なにをするべきかわかるだろ」など抽象的な要求をしてこないことがよくあります。最終的には経済的な目的にはなりますが「カネを支払え」と言ったら恐喝になりかねません。万が一のためにあくまで自発的にカネを提案してきたという外形にしたいわけです。

 私たちは、とかく一方的に攻められると「相手を鎮めるためになにかしないといけない」と焦ってしまいがちです。相手の要求内容がわからないと自分でいろいろ推測して最終的には「金銭的に解決で」ということになります。金銭的解決はある意味でもっともシンプルでわかりやすいからです。ですがこんな要求にずるずる対応していたらきりがありません。

 相手がなにを要求しているかわからないときには、「具体的なご要望は何でしょうか」とはっきり聞いてみることがもっとも効果的です。「そんなこと知るか。自分で考えろ」と言われたら「考えてもわかりません。ではいったんかえって上司や弁護士と相談します」と切り返せば大丈夫です。おそらく相手はさらにヒートアップしますが立ち去ることがなによりです。

 そもそも何かを要求する側は、要求する内容と根拠を明確にしなければなりません。損害賠償をするにしてもいくらでも請求できるわけではありません。その根拠となるものが必要です。相手がはっきりした回答をしないならはっきりした回答を求めていきましょう。「ご要望は金銭的な給付と言うことですか」と切り返すのも効果的です。

相手に金額を提示させる

 こちらに非があって一定の賠償をしないといけないときもあります。その場合でも相手が明らかに過剰な要求をしてきそうなときには、相手に賠償額をいったん提示してもらうことが交渉では有利です。その金額は想像よりも高額のものでもかまいません。大事なのは、相手が提案したという事実です。

 こちらから提案をすると「そんな金額では納得できない」といつまでも金額を吊り上げられる危険があります。なにごとも上限を設定したほうが交渉もしやすいです。いったん相手が賠償額を提示すれば、そこがひとつの上限額として設定されます。そこから交渉をしながら下げていくだけになります。

 素人の方の交渉の特徴は、とかく大義名分の応酬といった空中戦が多いことになります。具体的な数字を離れての現実的な交渉はできません。抽象的なやり取りにならないためにも具体的な数字をベースに話をするようにすると着地点を見いだしやすいです。これは相手がクレーマーの場合でも同様です。

 クレーマーの場合には、なおさら抽象的な言い分になりがちですのであえて数字をベースにした話に持ち込む方が有利です。

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