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インタビューcase4

GUEST

原労務安全衛生管理コンサルタント事務所 代表
原 論(ハラサトシ)

原労務安全衛生管理コンサルタント事務所代表。社会保険労務士。労働基準監督官として19年間、首都圏の労働基準監督署や労働局に勤務。
監督官時代は、賃金不払いや労災事故、労災かくしなどについて多数送検を行う。
社会保険労務士の行う手続き業務などはほとんど行わず、参謀役となる企業顧問として労務管理や安全衛生管理のアドバイスを行っている一方で、労務管理やブラック企業対策の研修・セミナー講師等を多数行う。
一般の労務管理だけでなく、自動車運転者の改善基準や雇用管理における個人情報保護、労災補償問題、安全衛生管理など、縦断的に労働問題の解決を図ることを得意とする。
現在、元厚生労働事務次官の戸苅利和氏を中心に元労働基準監督官や労務に強い弁護士とともに、「労務調査士」資格認定講座の講師を行っている。(鳥飼総合法律事務所・日本経営税務法務研究会主催)
著書に「労基署は見ている。」(日本経済新聞出版社)がある。

労働基準監督署は敵ではありません

島田
今日はよろしくお願いします。
原先生は労働基準監督官から社会保険労務士に転身された方なのですが、仕事に対する考え方などは何か変化がありましたか?
原氏
基本的な考え方や方針は変わっていませんが、会社の中から見るか外から見るか、視点の変化はあると思います。
社会正義のつもりはありませんが、依頼のあった会社には良くなってほしいという強い思いがあります。
労働基準監督官も同様に、指導した会社が良くなってほしいと考えています。
島田
労働基準監督署とは距離を置きたいと考えている経営者が多いと思うのですが、労働基準監督署との付き合い方はどのようにしたらいいと思われますか?
原氏
労働基準監督署は、基本的には敵ではありません。「第三者」なのです。
あくまでも主役は経営者と労働者で、彼らの関係が良好になるように動くのが監督署。
さらにうまくいくようにお手伝いするのが士業としての役割だと思っています。
島田
原先生の著書には労働基準監督官が天職だと書かれていましたが、労働基準監督官の醍醐味とは何だったのでしょう?
原氏
まったく知らない会社に入って行くという感覚でしょうか。
未知の世界に飛び込んで行く恐怖感がありますが、一旦中に入ってしまったらこれから何をするかというワクワク感もありました。
ですが、決して嫌がらせをしようというものではありません(笑)
いろんな会社を知ることができるのも、面白さの一つではないかと思います。
島田
監督官から社会保険労務士になって視点が変わったとのことですが、経営者が適正な職場を作る上でのポイントは何でしょうか?

事が起きてしまうと
再チャレンジできなくなってしまいます

原氏
会社がこれからどういう方向で進んで行くか、きちんと先が見えているかが大事だと思います。
どのように従業員に向き合うのかが分かっていれば、会社でのトラブルは起きにくいと考えています。
従業員が何のためにいるのか、どのように働いてもらうのかよく理解している会社なら、これから先も生き残ることができるでしょう。
島田
著書の中でも本日のセミナーでも、原先生は一貫して「予防」を重視されているように思いました。
原氏
「事が起きてしまうと遅い」というケースを何度も見てきました。
「事が起きてしまうと遅い」というケースを何度も見てきました。
一度こけたらおしまい。こけないようにするにはどうすればいいかを考えなければなりません。
島田
適切な職場環境を考える時に、労働基準監督署との関係において、押さえるべきポイントとは何でしょうか?
原氏
まず、労働基準監督署がどういうスタンスでやって来るのかを理解しなければなりません。
今回の来訪の目的が理解できているかどうか。
それが分かっていれば対応することができます。
ですが、最終的な予防対策は何かと言いますと、日頃の労務管理しかありません。
日頃いかに管理できているかによって将来が決まってきます。
それができなければ、言い方は厳しいのですが、生き残るのは難しいかもしれません。
島田
原先生の立場からは、弁護士にどのようなことを求められますか?
原氏
会社の実情を理解した上で、一番してほしいことはやはり「予防策」だと思います。
社会保険労務士もそのような仕事をしていますが、コンサルタントの役割を果たせるのであれば誰でもいいと考えています。
士業として社会保険労務士にしかできない仕事がありますが、これから先はそれ以外の部分が重要になってくるでしょう。
会社側をよく理解してリスクマネジメントができるかどうか。
リスクの洗い出しができなければ対策もできませんから、それを見抜ける力が必要です。
島田
予防策を考える際、リスクを考えなければならないのですが、なかなか自分では見えないかもしれません。
周囲から指摘されて初めて見える、というところはありますよね。
原氏
リスクが表に出た時にはすでに遅いですから、それをいかに早く見つけられるか。
士業としては、その能力をいかに身に付けるかが大切です。
島田
原先生のこれからの仕事の領域としては、給与計算とかではなくてむしろ「予防」にフォーカスして展開されていきたいということでしょうか。
原氏
「事が起きないようにする」「監督署の出番がないようにする」というのが、会社にとって一番だと思います。
島田
今日は、どうもありがとうございました。
原氏
こちらこそ、ありがとうございました。