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かぐや姫はしたたかな交渉術を身につけていた!

債権回収においては,交渉力が勝負になります。こちらも譲歩して相手も譲歩させることで早期解決を図るというのは極めて日本的な優れた方法です。ビジネスマンであればいちどくらい交渉術についての本を読んだことはあるでしょう。(読んでいないなら恥をかかない程度に読んだ方がいいです。交渉が得意と自負する人ほどたんなるゴリ押しでまったくよい結果に至っていないですから。)

交渉という観点からみると日本の昔話にでてくる「かぐや姫」は,交渉のプロだったのかもしれません。すくなくともかなりできる人です。

ご存知のようにかぐや姫は,言い寄ってくる男性を断るために無理難題を条件として提示します。そして誰も実現することなくかぐや姫は,自分の期待していたとおり月に帰っていくわけです。今であれば残された老夫婦の介護は誰が見るのだという問題もでてくるわけですが。老々介護の現実があるわけです。

さて彼女の交渉を整理するとまずポイントは,一方的に拒否したわけではなく条件が成就すれば婚姻すると設定したことです。たんに断るだけでは,恋い焦がれる男性にあきらめさせることはできなかったでしょう。「もしかしたらオレいけるんじゃねぇ」と期待を持たせたところは交渉術として絶妙です。(男とは,いつの時代も淡い自分の期待によって立ちあがり現実によって沈み込む存在なのかもしれません。)

交渉においてたんに要求を拒否するというだけでは,円満解決にはいたりません。法律的に和解とは,互譲を前提にした制度です。互譲とは,当事者の双方が譲歩するという趣旨です。ですから交渉において解決をするためには,こちらとしてなにを譲歩するかを事前に設定しておくことが必要です。つまり自分のなで譲歩できる部分について優先順位を明確にしておくことです。たんに「お断り」というだけでは,子どものダダと変わりません。

かぐや姫は,男に淡い期待を抱かせながら実現可能性の極めて低い課題を設定します。ここのポイントは,実現可能性が低い課題を設定することで自らの譲歩を実質的に無意味化させているところです。いっけんすれば譲歩しているように見せかけて条件内容を厳しくすることで譲歩を無意味化させているということです。

このテクニックは,普段の交渉のなかでも目にすることがあります。お互いに譲歩しているように見せかけて実は一方的に不利になっている場合です。自分でも気がつかないうちに自分に不利な内容で合意してしまうことは交渉に慣れていない方にとってはよくあります。詐欺の被害者は,自分が被害にあったということすらわからないものです。

ここで考えてもらいたいのは,なぜ男性陣は実現可能性の低いことが明らかな条件を受け入れたのでしょう。「不器用な男ですから」という一言で終わらすことができない問題がここにあります。

ポイントになるのは,先にかぐや姫が形式的であっても譲歩しているということです。人間は,相手方が譲歩すると「自分もなにか譲歩しないといけない」という心理状況に陥りやすいものです。相手に譲歩させるためにまず自ら譲歩したように見せかけるということです。これは交渉のうえでもよく利用される方法です。

かぐや姫は,みずから譲歩したように見せかけて相手の譲歩を意図的に手に入れたのでしょう。このようにしておけばかぐや姫は,「男性が条件を成就できなかったからであり自分のわがままではない」と周囲にアピールすることができます。自分はまったく非難されないということです。さすがです。

交渉では最初に自分から譲歩する姿勢をみせることが有効なときもあります。かぐや姫を見事なまでの交渉術を参考になさってください。ちなみに昔話では,かぐや姫は月で悪事を働いたから流刑として地球にきていたそうです。なぜ彼女が老夫婦のもとで大切に育てられただけで月に戻ることができたのかよくわかりません。残された老夫婦とうまく手の上で踊らされた男性らがなんとも悲しく見えてきました。