執拗なクレーマーにも解決策はあります

 商品・サービスに対するクレームは,嫌なものではありますが改善のきっかけにもなります。クレーム対応を適切にしてファンになっていただくこともあります。ですがなかには明らかに不当な要求をしてくる人もいます。ここではクレーマーと表現します。クレーマーの標的になるといつまでも続く対応に疲れ果てます。こういうときには弁護士に相談して不当な要求を断ち切るべきです。「お客様だから」といってなんでも許されるわけではないです。

なぜクレーマー対応は疲れてしまうのか

 このページに来られたということは,おそらくクレーマー対応に悩んでおられるのかもしれません。いやですよねクレーマー対応って。社長も担当者も相談に来られるときには「助けてください。もう限界です」と涙目のケースもあります。

 クレーマー対応で疲労困憊するのは,着地点の見つけ方がわからないからです。「相手の要求はあまりにも不当。でもお客様だから無下にもできない」という板挟みの心理状態が担当者の精神的負担になってしまいます。クレーマーは,そもそも話を聞いて納得することなど予定していません。説明と納得は違うものです。いくら真摯に説明をしても理解する意思がなければ納得にはなりません。

 どれほど丁寧に説明してもわかってくれない。この繰り返しが担当者にどうしようもない疲労感を与えることになります。こういった事態を打破するためには,「不当な要求をする方は当社のお客様にふさわしくない」という社長の強い意志が必要です。「不当なこといってもお客様だからうまく丸めておいて」という姿勢では担当社員に不可能なことを強いることになりかねません。そんな社長には誰もついて行かないでしょう。

100件を超えるクレーマー対応からわかった「型」があります

 クレーマー対応が難しい理由のひとつには,確立された対処法というものがないことです。クレーマーには,それぞれ特徴があってふたつとして同じものはありません。例えばコールセンターに対するクレーマーもいれば,行政の窓口にやってくるクレーマーもいます。たくさんの種類のクレーマーがいるがゆえに対応もどうしても千差万別になります。これではいつまでも対処療法だけを継続することになり問題の抜本的な解決にはなりません。

 事務所では,これまで100件を超えるクレーマーの案件に対応してきました。相手は自動車事故で不当要求をする人もいれば医療現場で根拠のない言いがかりを求めてきた人もいました。開業当時にはまだ対応方法がわからなず「だまれ,この坊ちゃん弁護士が」と罵声を浴びさせられたこともあります。そんな実務をこなしながら少しずつ自分なりの対応の型のようなものができあがってきました。担当させていただき「数年来の問題が解決してありがとうございました」と言われるとやはりうれしいものです。最近では県外からも「どうしたらいいでしょうか。アドバイスを」と相談を受けることが増えてきました。改めて成熟した日本社会ではかえって自分の考えに固執するクレーマーが増えている印象です。混乱しやすい分野だからこそきちんとした「型」にあてはめることで問題を解決しやすくなります。

くりかえす電話などにはこちらから裁判することもあります

 クレーマー対応の相談で圧倒的に多いのが執拗な電話や面談要求への対応です。生真面目な人ほど丁寧に対応してしまいいつのまにか相手のいいなりになっているようなこともあります。
 何事にも限度というものがあります。仮にこちらにミスがあったとしても一方的な自宅への呼びつけ行為や業務に支障がでるほどの執拗な電話などは手段として不適切でしょう。そのような要求に丁寧に応じるほどに相手の要求は苛烈なものになっていきます。「ここはプレッシャーをかければなんでも言うことを聞く」と認識されるからです。

 クレーマーの特徴としては,「弁護士に依頼してもいいんだぞ。訴えるぞ」と言いつつも実際には訴訟なんて普通しないということです。訴訟をすれば自分の要求が不当なことが明らかになってかえって不利になります。仮に損害賠償を回収できたとしても訴訟で損害額が確定します。それではクレーマーにとっては意味がありません。いちばんおいしいのは,「やるぞやるぞ」と不安を煽りながらじっくりまったり要求を通していくことです。

 ですから「わかりました。では今後は弁護士の方と話をしましょう」と切り返すと相手も驚きます。みなさんとしてもクレーマーに弁護士がついて冷静に話ができたことがいいでしょう。でも実際にはクレーマーは弁護士をつけてくれません。そういうときには事務所では,こちらからクレーマーを相手にして裁判することもあります。裁判ですべての事実を白日のもとにさらして強制的に解決させるわけです。

クレーマー対策の事例紹介