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ハラスメント

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クレーマーはひとつのミスを拡大解釈させる

島田 直行 弁護士:島田 直行 投稿日:2019.08.04

誰しも自分にミスがあれば相手に負い目を感じる。クレーマーは、こういった負い目といったものをうまく利用しようとする。負い目があるときには人は反論しにくいものだ。反論しにくいからこそミスを大きく描いてより大きなリターンを得ようとする。そういうった罠にはまってしまわないように注意するべきことがある。

クレーマーはミスの内容にこだわらない

これまでの経験からしてクレーマーは、ミスをとことん追求するがミスの内容自体にはあまり興味を持っていない。はっきりいってミスの内容よりも「ミスがあった」という事実こそすべてである。ミスがあればどうしてもこちらは相手に負い目を感じることになる。人は負い目を感じると自由な発言をしにくくなる。負い目を感じつつ「それはおかしいでしょ」といえば、「反省していないのか」と反論されてしまうかもしれない。でもこれは冷静に考えてクレーマーからの反論になっていない。意見を述べることと反省は意味が違うことだ。反省をしていても意見を述べることは自由なはずだ。それが現場では負い目から冷静な判断ができずひたすらうなずくだけのになってしまう。これこそクレーマーにとって理想の関係である。

小さなミスも大きくできる

ミスというのは過去にあった事実。誰しも過去の事実を変えることはできない。クレーマーにしても過去のミス自体を変えることはできない。だが事実の評価であればいつでも変えることができる。それもクレーマーの言葉ひとつでわずかなミスも甚大な被害になる「可能性」を含んだものになってしまう。クレーマーは、とにかく可能性で物事を語ることが大好きだ。「こういったことにもなりかねない」と可能性をあげつつあなたの立場を追い込んでいく。可能性はあくまで可能性でしかない。しかも可能性といっても実際には実現するかどうかの確率はケースによっても異なる。「あるかもしれない」というのであればなにもかも実現可能性があるということになりかねない。損害というのは実際に発生したものが原則である。可能性の文脈のなかで語られるべきものではない。クレーマーは、小さなミスの評価を変えて損害を大きく描くようにしている。

紙に書きだしてみる

相手からプレッシャーをかけられると負い目もあることから冷静な判断ができなくなる。あとから検証すれば「なんであんなことを言ってしまったのか」と自分でもわからなくなるものだ。それが緊張というものだからあまり深く悩んでもしかないだろう。自分が何となく自由な発言ができていないと感じるときにはメモを書きだしてみるといい。クレーマーと話しながら相手の発言をメモに書いてみる。「会社への報告のために」とでもいってメモをとる。あたりまえのことだが謝罪の場ではなかなかメモを取るという発想にならない。「謝罪しなければ」という意識が前のめりでメモを書くことが非礼と感じるからだ。でも書いていると少し冷静に物事をみることができる。

ミスがあったといっても対応するべき範囲には限界がある。土下座を強要するなどあきらかに尋常な要求内容ではない。それについては明確に断るべきだ。そしてそういう要求がなされたことをメモにしておいた方がいい。あたりまえのことだがものごとには「常識」というものがある。クレーマーは、そういった常識を無視して平然と無茶な要求をしてくることがある。不要な要求には負い目があっても断ることだ。

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