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士業のクレーマー対応:危うい会社から助成金の依頼を受けてしまった社労士の悩み

島田 直行 弁護士:島田 直行 投稿日:2019.10.17

クレーマーと言えば、飲食業、サービス業、理容美容あるいは医療をイメージしやすいでしょう。ですが士業にしても一般企業と同じようにクレーマーのターゲットになってしまうことがあります。今回はちょっと話を変えて士業のクレーマー問題を解決した事案についてご紹介します。

それはある社労士の方からの依頼でした。事務所では、企業側の代理人として労働事件を担当しています。その関係で日頃からいろんな社労士の方が事務所を出入りされています。みなさん自分のクライアントをよくしたいという一心です。その社労士の方は、それまでお付き合いのない方でした。とある人から「知り合いの社労士がお客さんとトラブルになっているみたいなので相談に乗ってくれないか」という電話がありました。そこで面談をすることにしました。

その社労士は、助成金の関係で顧問先とトラブルになっているということでした。助成金をもらうためには、会社として一定の条件を具備する必要があります。顧問先は、本当に条件を具備しているのか怪しいところがありました。そこをなんとなく指摘しても顧問先が聞く耳をもたないということでした。むしろ早く助成金の手続きをするように言われるばかり。

助成金は、あくまで企業がある目的を達成するために支給されるべきものです。そのために企業として条件を具備することが必要とされます。ですが最近では、「助成金を得ること」を直接的な目的にしている企業もあるようです。こういった企業では、具備するべき条件にしても「とりあえずカタチだけ」というケースもあるようです。これでは助成金の目的を失っています。

この社労士の方も職業倫理からしても危うい会社との関係を断つことを覚悟していました。ただどうやって関係を断つことができるのかわからずに迷走し疲弊していました。こういった「断ち方がわからない」という相談は少なくありません。周囲から見れば、「そんなもの断ればいいだけでしょ」とかんじるかもしれません。ですが何かを断るというのは簡単なことではありません。「相手の顔をつぶさないように断りたい」と相手のことを配慮するばかりにうまい断り方がわからずにいつまでも関係が続くということもあります。あるいは「拒否したら大変なことになるのではないか」という恐怖心もあるでしょう。この社労士の方も同様の状況でした。

ですがこういった曖昧なスタンスが問題をさらに複雑化させます。問題点を指摘して改善しないなら関係を断つことも士業には必要です。「相手の顔」を立てるばかりにいつまでもずるずる関係を続けていたらトラブルに士業として巻き込まれることになります。顧客が指示に従ってくれないのであれば、信頼関係も何もあったものではありません。自分の身を守るためにも関係を一刀両断する勢いが必要です。

基本的に士業の契約は、業務委託契約が多いでしょう。こういった契約であれば、通常一方的に契約を解除することができます。将来のトラブルを防止するため配達証明付内容証明で解除通知をだしておくといいです。「あなたとの契約を解除する」という文章を内容証明だすということです。「顧客だった人にいきなり内容証明郵便をだすのは」という人もいるかもしれません。ですが「いつ契約が解除されたのか」をはっきりさせるためにも配達証明付内容証明でするべきです。この事案では代理人として配達証明付内容証明で一方的に契約を解除する旨を通知しました。このように自分の身を守るためにときには力技で契約関係を解消させる必要もあります。

なかにはクレーマーになって攻撃してくるケースもあります。良かれと思ってアドバイスしたことが批判されると滅入るものです。とくにクレーマーになって強い言葉で攻められると気が滅入るのみならず対応に苦慮するでしょう。とくにクレーマーには、特徴的な言葉があります。「クレーマーは、こういった言葉であなたの思考を停止させる」という記事に書いていますのでご覧ください。

 その他の事例も本に入れておきましたのでいちどご覧になってみてください。士業の方にとっても参考になるはずです。

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