外国人採用を考え始めたときにはこちらから

投稿者:
島田 直行(弁護士)
2019.04.06 労働問題

 日本では,労働人口の減少のなかで外国人採用がこれまでにないほど注目されています。とくに入管法が改正されたことでさらに日本で働く外国人の方は増えていくでしょう。「うちには関係ない」というのはもはや妥当しない時代になりました。さりとてまったく外国人を採用したことのない人にとっては「そもそも外国人が働くとは」という方も少なくないです。ここでは外国人を採用の大枠について説明しておきます。

外国人といえども基本的な規制は日本人と同じ

 「外国人労働者には特別な法律が適用される」と誤解されている経営者が少なくありません。日本人だろうが外国人だろうが「日本で働く」という事実において相違はありません。言語や文化の相違はあれども労働力を提供するという点においてはまったく同じです。そのため労働において適用される法規制も基本的には日本人と同じです。

 労働基準法,労災保険法あるいは最低賃金といったものは,いずれも外国人労働者に対しても適用されます。

 これから同一労働同一賃金が徹底されるようになれば,外国人の賃金についてもよりいっそう検討を要するようになるでしょう。あくまで労働内容にフォーカスして賃金を検討することになるからです。たんに「日本語がまだまだで周囲とのコミュニケーションがとりにくい」というだけでは賃金の相違について合理的な理由にはならないでしょう。

大きな相違は在留資格

 日本人労働者と外国人労働者の絶対的な相違は,在留資格の有無です。在留資格とは,ものすごくざっくり説明すれば「日本に在留するための資格」です。よく査証(ビザ)と誤解している人がいますが在留資格と査証はまったく違うものです。

 査証は,あくまで日本に入国するためのであって日本に在留することを認めたものではありません。イメージすれば,日本で一定期間働くためには査証をとって入国したうえで在留資格が必要ということになります。

 在留資格は,大別すると①日本における活動内容に関連して付与されるものと②一定の地位などに関連して付与されるものがあります。

 活動内容に関連して付与される資格は,外国が定めたれた活動を日本に在留して実施するためのものです。ですからいったん在留資格をもらっても定めらえた活動ではない他の仕事に自由に就くことができるわけではありません。いわゆる技能実習生や留学生は,こういった活動内容に関連して資格が付与されることになります。

 次に一定の地位などに関連して付与される資格としては,配偶者が日本人である場合や永住者などがあります。この資格の場合には,就労についてほとんど制限がありません。

 同じ外国人であっても在留資格の内容によってまったく働き方が違います。

中小企業でも避けては通れない

 外国人労働者は,これから増える一方でしょう。「我が社には関係ない」と安易に考えていたら時代に取り残されてしまうことになります。外国人労働者については,言語,宗教あるいは文化についての理解が強く求められます。経営者としては,これらについての配慮が不可欠です。「明日から採用してみよう」という気軽な気持ちで採用できるものではないです。

 事務所では,外国人採用についてのコンサルティングもしています。外国人採用にご興味のある方は事務所までお伝えください。

 なお中小企業の労働については,こちらのページもご覧ください。