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コロナを理由に内定取消し。それはなかなか難しいでしょ

島田 直行 弁護士:島田 直行 投稿日:2020.09.15

ニュースを見ていたらコロナの影響で内定取消が昨年の5倍にもなっているそうだ。

企業としてもコロナの影響で採用を控えたいという思いがある。ただ個人的には「そんなに企業の都合だけでは取消しできないのではないか」と思う。内定は「とれた。とれなかった」という文脈ばかりで語られることが多いが法的な効果まで踏み込んで考えることはなかなかないだろう。せっかくの機会だから「内定とはなんだ」というところから整理してみよう。

働いてなくても労働契約は成立していますから

一般的な採用は、申し込みがあって内定通知をだすことにって決まる。でも実際に勤務が始まるのは、内定がでてからしばらくしてからだ。働き始めれば労働契約が成立しているというのはなんとなく実感がわくだろう。では内定の通知がでてから実際に働き始めるまでの期間の当事者と会社の関係はどうなるのだろう。

これについて判例は、始期付解約権留保付労働契約が成立しているものと解釈している。なんとも複雑な言葉ではあるが簡単に言えば内定通知をだすことで当事者と会社の間には労働契約が成立するというわけだ。ただ実際にはまだ働いていないので「始期付」とされている。しかも一定の自由を理由に解約(=取消し)ができるということで「解約権留保付」といわれる。

よく内定取消しと言われるが正確には留保されていた解約権を行使するというのが法的には正しい解釈になる。このように内定段階でも労働契約が成立しているがゆえに契約を解消するには相当の理由が必要になる。仮に採用を取消しするには、客観的で合理的で社会通念上相当といえるだけの事情が必要だ。たんに内定通知書に一定の場合に取消しされる事由を列挙していたからと言って当然にいつでも取消しできるわけではない。

コロナによって事業に不安がでた場合もしかりだ。たんに「コロナで先行き不明だから」といった抽象的な理由だけでは取消しは認められないだろう。整理解雇に準じるようなきちんとしたステップを踏んでいないと取消しが無効になる。

採用取消しが無効だとなれば会社としても採用しなければならない。会社の都合だけで「取消しさせてください。申し訳ない」ということにはならない。こういった争いにならないためには事情を説明して合意のうえで契約を解消することだ。その場合には会社の都合で辞めてもらうのだからなんらかの金銭的な補償もするべきであろう。

違法な内定取消では慰謝料を請求される

こういった内定取消しがきちんとした手順を踏まずになされると慰謝料を請求されることもある。過去の判例では慰謝料として100万円が認定されたケースもあるようだ。

しかも会社が受けるイメージは、こういった経済的なものだけではない。むしろより思いのがいわゆる風評被害というものだ。「あの会社は違法な採用をしている」などとネットに記載されると会社のブランドに傷がつく。少なくとも申し込みを検討していた人は事実はどうであれば申し込みを回避するかもしれない。そういった回避行動は会社としても把握できないため対処が難しいものだ。

ちなみにこういった慰謝料や風評被害というのは中途採用でもありうる。というか中小企業の場合には、中途採用メインだからこちらの方が現実的なリスクとして高いだろう。

いずれにしても「コロナで景気が見えないから」というだけではおそらく違法のそしりぬを免れることができない。取消しをするにしてもなによりも説明。ただ説明だけで人は納得できるものではない。そのうえでなにを提供できるかが円満解決の肝になる。困ったら相談して欲しい。

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