親の介護と相続トラブルについて

投稿者:
島田 直行(弁護士)
2017.02.13 (更新日:2019.09.25) 経営者の方々へ

相続トラブルの原因の一つが親の介護です。

親の介護をしてきたからといって,相続時に有利になるということは基本的にありませんのでご注意ください。例えば次のような事案を想定してみましょう。

A氏(87歳)は,認知症を伴い10年にわたり施設に入所していた。A氏の介護は,地元に住む長男甲とその妻が献身的に行ってきた。このたびA氏が亡くなり相続人は,A氏の長男甲と次男乙の二人だけである。そしてA氏の財産は,預貯金3,000万円のみです。

このとき甲と乙の話し合いが付かなければ,各自1,500万円しか相続することができません。つまり10年以上面倒を見てきたからといって,当然に甲の相続分が増えるわけではありません。あなたが甲夫婦だったとしたら,簡単には納得できないでしょう。このような不都合を是正するために法律を変えようという動きはあるのですが,まだ実現できていないのです。

介護費用が増大する昨今,行政の方針は「施設から在宅へ」と変わってきました。これからの時代,在宅での介護がさらに増加すると思われ,このようなもめごとも,法改正がなければ増えていくのかもしれません。