やはり経営者は新聞を読むべき。そこから何を学ぶか

投稿者:
島田 直行(弁護士)
2021.06.04 (更新日:2021.06.07) 経営者の方々へ

本日の日経新聞全国版に新刊「院長、クレーマー&問題職員で悩んでいませんか?」の広告を掲載していただきました。関係者の皆さんありがとうございます!やはり自分の本の広告がこうやって広告されるのはうれしいものですね。広告のおかげでAmazonのランキングも急上昇して総合184位,カテゴリーランキング1位となりました。購入していただいたみなさんありがとうございました。ただし広告による最大瞬間風速なわけですが。。これからでしょうね,本当に価値が問われるのは。

ご存じのように新聞の発刊部数は,この数年にわたって急激に減少しています。「新聞は読まない。すべてネットで対応している」という人も相当数いらっしゃいます。でもやはり経営者であれば,新聞を読むべきと個人的には考えています。古い考え方かもしれないですけど。ネットニュースだけに頼る問題点は,大きくいって3つあると考えています。

まずネットニュースは,速報性を重視するために前後の文脈をすべて捨て去って「ある事実」だけに遡及してしまいます。ですから「ある事実」がどういう文脈の中で発生したものであるのかまったくわかりません。事実の解釈がどうしても表面的になってしまうわけです。この傾向は自分でも痛感します。あるニュースについて踏み込んで質問されると「?」となってしまうわけです。怖いのは「その事実を深めて理解しよう」という姿勢を忘れてしまうことです。それって考えることを放棄してしまうことに等しいわけです。これでは経営における制度のある判断力ができるわけないです。

次に情報の多面性について。ある事実は,いろんな評価をともなうものです。物事を多面的に捉えるためには,ひとつの事実についての様々な意見を目にする必要があります。いろんな意見を目にしてこそ「自分なりの意見」というものができあがります。それがネットだけに頼ると自分の趣向にあった事実や意見ばかりを目にすることになります。情報を選択しているようで実際には自分にあっていると選択されたものを目にすることになります。これではある事実の是非について批判的に考えることができません。自分と違う意見=間違った意見と極度に短絡的に世界を把握することになりかねません。これは社会の分断を作り上げます。

最後に情報の精度について。ネットニュースってエビデンスがないものが紛れ込んでいます。とにかく読者数を増やすために目立つものあるいは極端なものに振りやすいわけです。真実というのはたいていありふれてつまらないものなわけです。だからありのまま表現するとなかなか読者を集めることができません。だからこそ真実から乖離したものをかかげるようになってしまいます。人は目立つものを求めています。結果として事実についてのチェックをすることなく目立つものを真実として信じるようになります。

このようにネットだけに依存するのは経営において相当のリスクです。せめて新聞を読んで情報ソースの多元化を確保しておくべきでしょう。