僕の事務所で求める人材。こんな方と仕事がしたい

投稿者:
島田 直行(弁護士)
2021.08.03 (更新日:2021.08.06) その他

事務所では,増員のために事務スタッフ1名を募集しています。僕は,いつもできるだけ少人数で気軽に仕事をしていきたいと考えています。いちど採用したらずっと勤務してもらえるようにいろいろ工夫しています。ですから本格的に募集をかけるのは久しぶりです。「法律事務所で勤務してみたい」という方がいらっしゃれば応募してみてください。そこで普段書くことがない僕なりの仕事観というものをこちらに書いておきます。応募に興味がある方は一読してみてください。

仕事は大事。でも仕事だけではいかんのです

法律事務所の仕事は,他人の人生にダイレクトに影響しますので半端な気持ちで関わるべきではないと考えています。世の中の仕組みをあつかうために「こんなことがあるのか」と驚くようなことも現実にあります。そのときに中途半端な対応をされてしまうと周囲の誰しもが迷惑を受けることになります。自分が法律事務所に依頼する立場になればわかるでしょう。誰にとっても「弁護士に相談する」というのは気持ちのいいものではありません。なにがしかの問題を抱えて仕方なく相談するというのが実際のところです。そんな緊張のもとで適当な扱いを受ければ誰しも不快ですし嫌悪するでしょう。それはひるがえって事務所のブランドを傷つけることになります。「とりあえず生活費を確保したい。責任とかわずらわしい」というだけであれば,他の仕事場を探すべきでしょう。

こういう前提で事務所を動かしているので一般的な職場に比較して細かい点についてもコメントがあります。「きちんと挨拶をしてください」「電話対応を見直しましょう」など。たぶん言われた側からすれば「細かいことまで指摘があるな」と煩わしく感じるかも知れません。その程度のことすら煩わしいと感じるのであれば,おそらく事務所の指導にはついていけないでしょう。あたりまえのことをあたりまえのようにできてこそ「いい仕事」というものができるはずです。僕は,ひとは仕事を通じてこそ成長できると考えています。精神論で仕事を語るようなことはしませんが仕事で学んだことは普段の暮らしにも影響するはずです。仕事を単なる生活の糧ととらえるか自分の成長の糧ととらえるかによって人生の質も変わってくるでしょう。1日8時間勤務するとして1日の3分の1を仕事で費やすわけです。となればせっかくの仕事ですから自分の人生の質も高めることができるように生産性を高めるべきでしょう。

このように人生における仕事の位置づけは重い。ですがです。仕事ばかりの人生というのもあまりにももったいないわけです。あくまで人生の一部としての仕事であって,すべてであってはならないと考えています。さらに言ってしまえばこれからの時代には仕事とプライベートという区別自体が曖昧になっていくのではないかと想像しています。区別が不明確になるほどに両者の棲み分けというか切り分けは意識しておくべきでしょう。そうしないといつのまにかプライベートを犠牲にして自分の仕事をこなしていくということになります。

失敗することを恐れない。むしろ失敗をどう活用するべきか

僕は,誰かの成功談にはたいした興味はありません。面接でも「これまでどういう経験をしましたか」と質問すれば,全てのひとが「こういう実績があります」と語ります。あたりまえですが自分の失敗を語るひとはおらず成功した話ばかりです。でもたったひとりの力でなにかが成功することは通常ないでしょう。多くのケースにおいては,「たまたま運が良く」成功したというものです。ですから全ての成功を自分の成功として語ることにあまり意味があるとは考えられないわけです。むしろ個人的に興味があるのはどういった失敗をして,いかにリカバリーしたかということです。僕は,これまでの仕事のなかで失敗の研究というものを続けています。これは自分が数え切れない失敗をしながら現状に至っているからです。誰だって「これを失敗しよう」と決意して失敗するわけではありません。いずれも「思わぬところで」失敗してしまうわけです。失敗は,挑戦するがゆえに生じるものです。そして企業が成長するには,そういった挑戦を繰り返していくしかありません。そうそう失敗したからといって諦めてしまうと企業としての成長は見込めません。「それはそうだ」と賛同者も多いでしょうが現実にたった一度の失敗でせっかくのチャンスを失ってしまうことがあまりにも多い。つくづく日本は失敗を受け入れることができない社会のように感じます。

事務所の方針としては,挑戦をしたことによる失敗について責任を求めるようなことはありません。もちろん同じミスを繰り返すときには指摘をしますが感情的に何かをしても意味がないことは明らかなのでアプローチを変えておこないます。むしろ失敗については「早く報告すること」を徹底しています。安易に叱責をすれば萎縮して失敗を報告しにくい企業文化になってしまいます。それこそ組織の腐敗の第一歩になります。失敗は「そこから何を学ぶか」につきます。問題は「学び方」について学ぶ機会があまりにも少ないことでしょう。失敗をしたということで落ち込んでしまうのは仕方のないこと。落ち込んだ状況では冷静に事実を見ることが難しいでしょう。事務所は,そういった事情を考慮して内省ができる仕組みを整えるようにしています。

スタンドプレーは不要。なによりチームがあってこそ

事務所では,個人スキルだけで採用を決めることはないです。というのも事務所では,チームで仕事をするということを大事にしているからです。いかに優れたひとであっても個人でできることには自ずと限界があります。小さな事務所で大きな仕事ができるのは,ひとりひとりの能力に依存するのではなく相互支援のチームによる仕事にこだわっているからです。こういったチーム体制は,事務所内部で完結することもあれば事務所外部の方も含めた場合もあります。チームプレーができないひとは,この事務所にいてもらっては困るわけです。

ではチームとして仕事をするうえで必要な能力はなにか。それはリーダーシップに他なりません。もしかしたら「?」と感じるかもしれないですね。チームがうまく機能しない理由のひとつには,メンバーにリーダーシップがかけているからです。「言われたことを実行するひと」が協調性のあるひとというわけではありません。これは単純作業を依頼する場合であればいいのですが法律事務所において単純作業というものはないです。少なくとも僕の事務所にはない。「誰かの指示があるのを待っておこう」というひとがメンバーに含まれるとチームとしての生産性及びモチベーションがさがります。なにより仕事を通じた自己の成長につながりません。ひとりひとりが「このチームの効率を上げるために自分はいかなる役回りをするべきか」について考えてこそ機能が上がります。ここをはき違えている人があまりにも多いです。

「自分は気弱だからリーダーシップがない」というのも大きな誤解です。気の強さとリーダーシップは無関係です。むしろ内向的な方こそ相手の心情に慎重にアプローチできてリーダーシップを発揮できる場合も多々あります。これからの時代にリーダーシップなしにできる仕事はないのではないでしょうか。こういったリーダーシップを各自が発揮できるように事務所ではいろんな工夫をしています。ひとつには安心して発言できる環境作りです。何かを発言して「叱責されるのではないか。否定されるのではないか」と不安になれば自由な発言もないでしょう。そんな場所でリーダーシップは熟成しない。ですから僕は,部下からの意見はとりあえず聞きます。もちろん採用しないこともあるけど採用しない理由と改善方向性を示すようにしています。そうやってコミュニケーションをとりながらベストな解決策を模索していきます。ベテランの意見だから尊重するということはないです。問題点が本質を突いていて,解決策が認識された問題点に効果的に作用するかという観点から意見を述べていきます。

僕は,仕事のやりがいとかいうものを語る者ではないです。なぜならやりがいなんてやってみないと誰にもわからないからです。むしろ苦労してこそ見いだすものでしょう。「この仕事はこれほどすばらしい」と伝えてもむなしく響くのは仕事というものが甘いものではないことを誰しも把握しているからです。こんな無骨な事務所ですが「やってみよう」という方は事務所採用サイトをご覧のうえ,ぜひ応募されてください。というかここまで書いて応募くださる方がいるのか不安だけど。。