読書感想:ボイステック革命 GAFAも狙う新市場争奪戦

投稿者:
島田 直行(弁護士)
2021.08.17 (更新日:2021.08.26) 読書感想

僕は,声というものに興味を持っています。それは僕自身が声に対してなにがしかの劣等感のようなものを抱いているからかもしれません。甲高い声で,いつも早口で話をしてしまいます。周囲からは聞き取りにくいなどと言われ,改善しようとこれまで色々と苦労してきました。それでも実際にはなかなか変わらないですよ。慣れ親しんだものなので意識して変えようと思ってもかえって不自然な声になってしまい,「むしろ不自然で聞きにくい」と言われてます。

音声技術は日々進化しています。例えばスマートスピーカーなどは典型的なものでしょう。僕は,できるだけ業務効率をあげたいと思っているので新しい技術にどんどん挑戦しています。(たいていは投資に失敗していますが)音声技術にしてももっと活用したい。特に弁護士という仕事は大量の文書を作ることになります。音声入力をもう少し活用できないかというのは日々考えているところです。今回のブログの記事は,音声入力をベースにしています。おそらく手で打つよりも3倍も早いんじゃないでしょうか。もちろん音声なので誤字も多いですし,修正もやむを得ません。そういった手間を考慮しても音声入力の方が効率的です。

「ボイステック革命 GAFAも狙う新市場争奪戦」は,現代の音声市場の現状とこれからの展望についてコンパクトにまとめられています。細かい技術については市場動向をベースにするので僕のように技術的知識がゼロの者にもとってもわかりやすいです。音声技術がいかに生活を変えていくのかについて本書を読めばなんとなくイメージはできるんではないかと思います。「音声といっても時代はやはり動画でしょ」という声もあるかもしれません。僕自身も読むまではそんな感じでした。ですが本書を読めば「音声であるがゆえの特徴」というものが存在し動画とは独立した価値があることがよくわかります。特に参考になったのはひとはスマホの普及により暇であることに耐えられなく情報を手に入れ続けたいという欲が増えたということです。その意味では何かを作業しながら情報を手に入れることができる音声には独自の価値があります。

音声技術といえば「録音されたものを再生する」というようなイメージを持ちやすいでしょう。ですが従来の技術に人工知能が組み合わさり音声技術はあきらかに別次元に来ています。これから求められるのは対話ということだと思います。「どういうものが食べたいか」「ここの場所の天気はどうか」など自分と音声技術とのオリジナルな会話が成立していくと言うことです。会話があるからこそ普段の生活が変わっていくのです。あらゆるビジネスにおいて対応が必要不可欠です。すべての事業家は,音声技術については避けては通れないと考えられます。提供するサービスにしても広告にしてもです。音声を通じたオリジナルなものがより求められるでしょう。

本書の中にあるように世界では音声技術がいっきに発達しています。とくにAirpodsに代表されるワイヤレスイヤホンの出現が一気に時代を進めました。それにもかかわらず日本ではまだまだ成熟していません。本書のなかで理由はいくつか指摘されています。例えば①日本の言語体系が難しい②世界的に見て日本語を話せる人口が制限されている③日本では視覚情報が重視されているなどです。逆を言えば日本はまだまだ勝負をする余地があるともいえるでしょう。つまり工夫して伸ばす余地がある。私も自分の事務所の業務において音声をもう少し活用できないかってことを模索していく予定です。また音声技術を使ったサービスについて紹介していければと考えています。経営者の方々には自社で新サービスにつなげることができないかと考えていただきたい。そのきっかけになる一冊です。