【本ができるまで】書く前に内容を自分の脳内から絞りだす,これつらい。

投稿者:
島田 直行(弁護士)
2019.10.10 その他

本ができるまでの第2弾。「よし本を書こう」と決意するところまでいいのですが一冊の本を書き上げるとなると相当の内容が必要になってきます。中途半端に取りかかると第1章で完結ということになりかねません。それでは本にならない。

おそらく本を書くうえで一番つらいのは,何を書いていくのかという目次を決めるプロセスです。少なくとも僕にとってはこれがもっとも負担が大きいところです。これは別に本に限ったことではなく訴訟における書面においても同じことです。考えながら書き始めると大抵失敗します。体系的に書けないから。ある先輩が「書き始めるときには書き終えている」と言っていましたが言い得て妙です。つまり何を書くかが確定してから書き始めろということです。でも実際にはなかなか最後までのイメージができなくて困ってしまうのです。

本一冊の分量はそれなりにあります。ですが誰しも本一冊になるくらいの経験とかは持っているものです。どういう立場の人であったとしても誰かに語れる経験というものはもっています。ですから「内容がない」ということは想定しにくいです。むしろ難しいのは,自分の経験したことを思いだして言葉にするプロセスです。経験ってたいていの場合には自分のなかで暗黙知になっています。言葉にならない状態で身体の深いところに沈んでいるようなものです。そのためなにかトラブルがあったときには無意識で対処できるようになるです。これは現実の問題を解決するうえで効率的なんですが表現して誰かに伝えるとなるとストレスになります。ここを超えないとアイデアだしにはなりません。

僕の場合には,ひたすら自分の経験したことをノートに殴り書きにしています。深く考えることなく想起されたことをどんどんかきだす。そのうえで鉛筆で分散したアイデアを結んでいきながら全体のデザインを決めていきます。僕としては,この部分が自分の作品のパフォーマンスに影響すると考えているので相当の時間を費やしています。書いては消し,書いては消し。大抵このあたりで心折れそうになります。今回の作品の場合にはここで苦労しました。とくに難しかったのは本の終わり方。たんにノウハウを書いて終わりだったら読む方にとってもつまらないでしょう。イメージとしては,「最後はこのように終わらせよう」と決めてから逆算的に目次を作成していくようなものです。

この作業を実際にすると脳から汗がでる感覚を味わうことができます。何杯コーヒー飲んでも前に進まない感じです。スタッフも「なんだか島田がこわい。今声かけるとまずい」と感じたことでしょう。もしかしたら不敵な笑みすらこぼしていたかもしれない。

こうやって目次をなんとかカタチにしていきます。目次の場合には,内容もさることながら順番も決めないといけません。つまるところ読みやすさというのは,平易な言葉で論理的に説明できるかにつきるといえます。そして論理的というのは,何をどの順番で語るかです。自分で話しやすい順番で書き連ねると読者にはまったくわからないものです。論理的に書いていくというのは,弁護士としても必須のスタンスです。随筆ではないので。そんなことでやっとこそ目次ができると,それを机に掲げて一気に書きあげていきます。ここからは次回に。

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