【本ができるまで】本のデザインを決める

投稿者:
島田 直行(弁護士)
2019.10.20 その他

文章ができあがったら本のデザインを決める作業がはじまります。こういったデザインは,プロの方にお任せしているのでこちらとしては楽しみに待っているだけです。

もはや死語になりつつありますがCDにはジャケ買いというものがあります。音楽のコンテンツに関係なくCDのジャケットだけ見て勢いで買ってしまうというものです。かつてはジャケ買いできるようになるとなんとなく大人になった気がしたものです。ある音楽評論家は,「(ロックの)ジャケ買いにハズレなし」と喝破していましたが実際にはひどいものもありました。それもまたジャケ買いの面白みでもあるわけですが。

こういった外見だけで選ぶというのは本も同じでしょう。自分で欲しい本が決まっていたらAmazonでことたります。でも本屋に行くことで普段全く目にしない分野の本が目にとまることがあります。なんというか予想しない出会いというようなものですね。そういう出会いは,内容ではなくタイトルだったり装丁が自分の好みだからこそ意識が向きます。誰かと出会うためには,やはり本もデザインが大事ということです。

僕の本は,デザイナーの方のセンスが良くてありがたいです。今回は第2弾ということで前回のデザインを踏襲して色違いの物になっています。やはりはじめてデザイン案を目にすると「本ができる」ということを実感します。カタチなきものにカタチが生まれる瞬間です。

装丁の他にも文章自体のレイアウトも調整していくことになります。実際に僕が書いたものを編集者の人がチェックしながら読みやすいレイアウトへと変更していきます。「読みやすい」と簡単に言いますが実際にやってみると「そもそも誰にとって読みやすいものなのか」というところから考える必要があります。

コンテンツの確認,目次との整合性,表現の統一,段落の区切りなどプロならではの手さばきで整理されていきます。できあがったものを見ると自分が提出したものがたんなる原稿にしか過ぎないことがよくわかります。原稿があれば本ができるというのは早計です。原告と本の間にはどうしても編集というひとつの工程が不可欠です。この編集のプロセスで読みやすさというものが相当変わってくるような印象を受けます。担当していただいた編集者の方に本当にお世話になりました。

僕は,普段の仕事のなかで図表でなにかを説明するという機会があまりありません。訴状にしても基本的には言葉による表現です。ですから原稿段階では図説もなく文字ばかりの物になってしまいました。それは僕にとっては,「あたりまえ」のものですが一般の読者からすればやは違和感があるでしょう。そこで編集の担当者からのアドバイスで図説などもいれてもらいました。自分の世界にどっぷるつかると自分の視点でばかり世界を理解しようとしてしまいますね。