ベトナムの今を知るために

投稿者:
島田 直行(弁護士)
2019.11.25 その他

これからの時代を見据えた場合には、やはりアジア諸国との関わりは避けて通れないでしょう。事務所でも海外との取引についての相談もやはり増えてきた印象があります。

さりとて観光ではなくビジネスのアジアというのはまだまだイメージしにくいところがあります。僕としても「これからはアジア」と言っても具体的にどのようなアプローチをするべきかわからないところも多々あります。いくらネットなどで情報を手に入れたとしても実際に自分の目で見て歩いてみないとわからないものです。そこで今回は東南アジアでも成長著しいベトナムを再訪してきました。コーディネートは、現地でコンサルティングなどをなさっている城崎さんにお願いしました。

ビジネス目的であればアテンダントの力量が必要です

たんなる旅行であればネットの記事を参考にすればいいのですがビジネスとなると簡単にはいきません。いくらネットで情報を手にしてもあくまで「底に用意されている情報」でしかありません。本当に自分の身になる情報は,自分から取りにいって誰かに教えてもらうことがなによりです。つまり自分が探している何かのヒントを与えてくれるような人に会うことがもっとも効果的です。こういった出会いが有効になるのは,仲介者の力量が必要になります。「この人に誰を紹介するべきか」という判断に仲介者の洞察力がでてきます。城崎さんは,こういうった判断がすばらしい。今回の見学も城崎さんがいらっしゃるからこそ実現できたといえるでしょう。

福岡空港からの5時間を経てハノイ。今回は現地でコンサルティング会社を経営されている城崎さんに法律事務所から現地日本人の方との会食まであらゆるものをアテンドしていだけました。彼のサポートがなかったら今回の充実した研修は実現できませんでした。いろんな方に現地で出会うことで日本にいるだけではなかなかわかないベトナムの状況がよくわかりました。

最終的に問題を解決するのは明るさと情熱でしょうね

ご存知のようにベトナムは、ASEAN諸国のなかでも安定した経済成長を持続している国家です。社会主義を政治的には採用していますが経済的には資本主義といってもいいでしょう。実際のところ多くの日本企業がベトナムに進出しています。現地でがんばられている方々はみなさんタフで前向き。ある方は「いったん海外勤務になったらずっと海外勤務になった」と笑われていましたが能力があるからでしょう。

ちなみにもっとも笑ったのはとある日本人の方から教えてもらったOKYという言葉。現地の実情もわからないまま日本から机上の空論でなされる無茶な指示に対する決意の言葉。「おまえ、きてみてやってみろ」(Omae Kitemite Yattemiro) 組織の中で働く人の大変さがものすごく集約された一言でした。でもみなさんそう言いつつ楽しく仕事されていましたね。

ハノイの郊外には、日系企業の集まった工業団地が形成されています。日本人向けに「日本と同じような暮らしができる」をコンセプトにしたサービス付きの住宅も見学させていただきました。建物を見るとやはり日系企業の建設した建物は細部までこだわっています。

ベトナムでも人手不足が進みつつあります

経済成長にともないベトナム国内でも人材不足という問題にぶつかることが多くなったそうです。賃金も上昇してきておりなかなか安定した人材を確保することが難しいようです。ある程度の能力のある人材を手配するとなれば日本のようにエージェントに依頼することもあるようです。こういった人材不足はとくに南部で進行しているらしくハノイのような北部に企業が進出するひとつの検討要素として人材の確保のしやすさもあるようです。

今回の見学ではハノイの法律事務所や税理士事務所も訪問させていただきました。弁護士の方によれば、日本と同じで労働問題に関する相談が増加しているそうです。ベトナムは、日本と同様に解雇規制が厳しいとのことです。もっとも労働問題になっても最終的には裁判にはならず交渉によって終了することが多いようです。

世界とつなげる士業のネットワークが必要になる

現地の士業の方と話をさせていただき日本の中小企業と現地の士業の方の橋渡しをどのようにするかがこれからの自分のひとつのテーマのように感じました。企業が発展していくためには、リスクコントロールするものとして士業のサポートが必要です。ですが士業の活動できる範囲は、法律によって限定されています。いくら日本の弁護士資格があってもベトナムでは無力です。しかも自分の能力からして各国の法律と制度を勉強してマスターすることなど不可能です。おそらく自分にできることは、なにかトラブルに巻き込まれた方に「その国のトラブルならこの人に弁護士さんに」というコネクションを形成していくことだ改めて感じました。

ベトナムの方に聞くと「日本に行ってみたい」というニーズはまだあるそうです。ベトナムをはじめとした優秀な外国人の方が集まることがこれからの日本にとっては必要でしょう。そのために外国人の方でも働きやすい労働環境の構築は大きな日本の課題になっていくでしょう。もはや誰しもが「世界は一つになりつつある」
ということを認識して行動しなければならないのではないでしょうか。

今回の研修は本当に学びの多いものでした。城崎さんをはじめ関係者の方々ありがとうございました。