読書感想:採用基準

投稿者:
島田 直行(弁護士)
2021.07.18 (更新日:2021.07.19) その他

たいてい仕事に飽きてしまうとAmazonを徘徊しています。そして気になるタイトルを見つけるとポチッとな。このポチッとなが良くないことがわかっているのですが。。結果として日の目を見ない本が山のように積み上がるわけです。それにしても毎日のように徘徊していますがビジネス書っていったい一日に何冊くらいでているのでしょう。タイトル見るだけでももはや追いついていけない。新しいものを追いかけるのにつかれたので最近では「読むべき本」を立ち止まってセレクトして読むようにしています。そこで今回ご紹介するのが「採用基準」というもの。ベストセラーの一冊ですからご覧になった方も多いでしょう。

「いい人材が欲しい」というのはあらゆる経営者の希望でしょう。せっかく採用したのにミスマッチが生じれば双方にとって残念なことになります。採用のミスマッチを防止するためにも採用基準というのはきちんとこだわりを持ちたいところです。もっとも「採用基準」というものがくせ者なわけです。採用する側としても理想とする社員像は描けても「何を見定めるべきか」がよくわからないということです。結果として「受け答えが器用」「前向きな意見が多い」といった抽象的な印象で採用することになってしまいがちです。

ビジネスの世界で生きていくために何が必要なのか。本書では,リーダーシップこそすべてのプレイヤーに求められる要素だと断言しています。私たちは,とかくリーダーシップについて一部の者に先天的に付与されたものあるいはマネージャークラスになって求められるものだと想像しがちです。ですが本書では,それを否定します。むしろあらゆる人に求められるものであってかつ後天的に伸ばすことができるものだと断言しています。むしろ日本企業の課題は,リーダーシップという判断要素が明確に定義されることなく採用手続が進められてしまってせっかくの成長のチャンスを失っているということです。

本書のベースとなるのは著者の勤務なさっていた外資系コンサルティング会社におけるご経験です。ですがこれを「外資の企業だから。大手だから」というバイアスをかけて読んでいたらおそらく何も学ぶことができません。リーダーシップが求められるのは企業の規模なんて関係ないでしょう。一読していただければ「なぜリーダーシップなのか」というのがよくわかります。例えば経営者からは,「社員は指示したことはやってくれるのだが機転が利かない」という声を聞くこともあります。これもまたリーダーシップの欠如なのかもしれません。リーダーシップというのは,一定の目的を達成するために他者を動かしていく能力と評価できるでしょう。予測できない状況下において目的を自ら設定して達成するためにやるべきことを整理する。それこそ危機的状況下におけるリーダーシップです。ありがちなのは危機的状況なのに指示がないから身動きが何もとれないということです。

自社の採用基準を見直すうえでも参考になる一冊です。より強い組織を作るために一読を。