クレーマーからの要求を安易に拒否したらいわゆる医師法の定める応召義務に違反したと批判されませんか

2021.04.28

 医師がクレーマー対応において悩む理由のひとつには,医師法の定める応召義務との関係があります。医師法第19条第1項では「診療に従事する医師は、診察治療の求めがあった場合、正当な事由がなければ拒んではいけない」と定められています。法律の文言だけでは,なにをもって診察を拒否する正当な理由になるのかわかりません。そのため医師も「拒否したら医師法違反になるのではないか
」と萎縮しておかしいと感じつつも診察に応じるということになってしまいがちです。これでは医師の犠牲のうえに診察がなされることになりあきらかに不当です。
 医師の応召義務は,医師に無限の責任を強いるものではありません。不当な要求しだいでは,診察を拒否する正当な事由があると判断して診察を拒否するのもひとつです。これまでの個人的な経験からしても要求を断ったことで応召義務違反と指摘を受けたことはありません。大事なことは「なぜ断ったのか」の理由を明確にしたうえで証拠を確保しておくことでしょう。