スタッフが会社の金銭をとっていることがわかりました。スタッフの責任をどのように求めるべきでしょう

2021.04.29

 クリニックの経営は,分業化が進んでおり特定のスタッフが特定の業務を専属的になっているケースが少なくありません。そのうえ院長も診察で多忙であるため他のスタッフが具体的にどのような仕事をしているか十分に目を届けることがなかなかできません。そのためクリニックにおけるスタッフによる不正行為は少なくありません。
 典型的な事例としては,クリニックの金銭や在庫商品の取得といったものがあります。こういた不正は,業務時間中に秘密裏になされるため発覚が遅れがちです。たまたま担当者が休んで「おつりがあわない」ということで事態の発覚につながることもあります。しかも気が付いて事情を聞こうとした「明日から出社しません。退職します」とSNSで連絡されるだけということも珍しくありません。
 院長は,証拠も曖昧なまま本人を呼びだして責任を追及するようなことは避けるべきです。事後的に「根拠なく横領したといわれた」と争われる可能性があります。事前に弁護士に確認して証拠を確保してから本人に告知するべきでしょう。そのうえで刑事責任と民事責任を考えていくことになります。「物事を大きくしたくない」ということで賠償をきちんとすればあえて刑事告訴しないというケースも多いです。