問題のある社員に退職を勧めることは違法なことでしょうか。退職に応じない場合には,解雇もできるのでしょうか

2021.04.29

 問題のある社員に対して院長が退職を勧めることは,それ自体がただちに違法ということではありません。人間関係でギクシャクした状態で勤務してもらうことは,労使双方にとって適切な判断とは限りません。もっとも「問題があるから退職して欲しい」ということでは,言われたスタッフとしても「はい。わかりました」と簡単に承服できるものではありません。院長のなかには「自分が言えば応じるだろ」と安易に捉えている人がいます。こういうタイプの方は,たいてい失敗して相手も弁護士をつけて労働事件になりがちです。
 退職を勧めるさいには,相手としても受け入れやすい条件を提示できるかがポイントになります。具体的には退職金の上乗せなどの経済的インセンティブの確保になります。
 なおスタッフが退職に応じないからといって解雇をすることは避けてください。解雇は,スタッフの意思に関係なく院長の判断のみで労働契約を解消させるものです。現在の日本の労働法制のもと解雇が有効になるのは著しく制限されています。安易に解雇してしまうと「不当解雇だ」と争われることになります。解雇をする場合には,事前に弁護士の意見を確認するべきです。