083-250-7881[9:00〜17:30(土日祝日除く)]

tel:083-250-7881[9:00〜17:30(土日祝日除く)]

tel:083-250-7881[9:00〜17:30(土日祝日除く)]

事実を「事実」としてとらえること

島田 直行 弁護士:島田 直行 投稿日:2025.05.06

連休の最終日です。やりたいことは山ほどあったのに、結局どれも手をつけられずに終わってしまいました。まあ、毎年のことなのですが、それでも少しだけ悔しさが残ります。

それにしても、ここ数日ちょっと寒くないですか?火が立っているところでは暖かそうに見えるのに、薄着で外に出ると案外寒くて。体が冷えて寒気すら感じてしまうことがあります。頭では「もう春だし、暖かいはず」と思っているのに、体が感じる感覚はそれと食い違う——こういうことって、結構ありますよね。

この季節は気候としては心地よいのに、着るものに悩む時期でもあります。「今日は何を着たらちょうどいいんだろう?」と毎朝考え込んでしまう方、多いのではないでしょうか。周りの雰囲気に合わせようとする気持ちもどこかにあって、自分の感覚だけで決めるのが難しかったりするものです。

さて、今日は「判断と解釈」について、少し考えていたことを共有したいと思います。

私たちは何かの事実を見たり聞いたりすると、「それを理解した」と思いがちです。そして、他の人にそれを伝えるときには、「そのままの事実を話している」と信じていることも多いかもしれません。でも、実際にはそう単純ではないようです。

たとえば、「あの人、イライラしてたよね」と誰かの様子を伝えるとき。それは確かに一つの事実のように聞こえるけれど、本当は私たち自身の“解釈”が入っている可能性が高い。相手の表情や言葉のトーン、雰囲気などを受け取って、自分なりに「イライラしている」と判断しているわけです。

私たちは日々の生活の中で、無意識のうちに判断や解釈を重ねながら世界を見ています。そして、厄介なのは、自分がそうしていることに気づいていない場合があるということです。

「自分は事実だけを伝えたつもりだったのに、なんであんなに誤解されたんだろう」——そんな経験、ありませんか?それは、おそらく“事実”と思っていたものの中に、自分の感情や価値観が知らず知らずのうちに入り込んでいたからなのかもしれません。

では、どうすれば「純粋な事実」をそのまま伝えることができるのでしょうか。これは実はとても難しいことです。私たちが見ているもの、聞いているものは、すべて五感を通じて脳内で処理された“情報”にすぎません。つまり、私たちの脳が「そうだ」と解釈したものを「事実」として扱っているにすぎないのです。

たとえば、目の前にあるものを「赤い」と認識しても、それは脳がそのように処理しているからであり、他の人が同じように感じているとは限らない。そんなふうに考えると、「事実をそのまま伝える」というのは、実は非常に主観的な営みであることが見えてきます。

だからこそ、私たちは「事実を伝えることには限界がある」と知っておくことが、大切なのではないかと思います。そのうえで、自分の判断や解釈をできるだけ削ぎ落とし、慎重に言葉を選んで伝えていく努力が必要なのではないでしょうか。

練習が必要ですし、すぐにできることでもありません。でも、それを意識するだけでも、他人とのコミュニケーションはぐっと変わるような気がします。私たちは、自分自身の解釈によって自分を苦しめてしまうこともあれば、他人を傷つけてしまうこともあるのですから。

BLOG一覧へ戻る

CONTACT

お困りごとは、島田法律事務所で
解決しませんか?

お急ぎの方はお電話でお問い合わせください。
オンライン相談をZoomでも対応しています。

083-250-7881
[9:00〜17:30(土日祝日除く)]