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「我慢することは、弱さではなく強さだと思う」

島田 直行 弁護士:島田 直行 投稿日:2025.05.28

最近、改めて「我慢すること」について考える機会がありました。
日々のニュースや社会の雰囲気を見ていると、どこか全体的に不安定で、もろくなってしまったような印象を受けます。その背景には、私たちの「我慢」との向き合い方が変化してきたことも、一因としてあるのではないかと感じています。

かつて「我慢すること」は、人として当然のこと、または成長や成熟の過程として受け止められていました。しかし最近では、「我慢は悪いこと」「我慢するくらいならやめた方がいい」といった風潮さえ感じることがあります。まるで、自分の欲求や感情を押さえることが“自分らしくない”といわんばかりに、すべてを率直に出すことが肯定されすぎているようにも見えるのです。

もちろん、自分の気持ちを正直に伝えることは大切です。でも、私たちは「すべてが思い通りにいくわけではない」という現実を、やはり受け入れていかなくてはならない場面も多くあります。人生には、思い通りにならないことの方が、むしろ多いのです。

そのときに必要なのが「我慢する力」なのではないでしょうか。私は、我慢とは決して弱さではなく、むしろ強さだと思っています。衝動を抑える、感情を整理する、自分の欲求だけで行動しない——そうした選択には、強い意志と自制心が求められます。言い換えれば、我慢には精神的な深さと成熟が伴うのです。

また、私たちが「自分の我慢を手放す」とき、その結果として、誰かに新たな我慢を強いている可能性があることも忘れてはならないと思います。たとえば、自分の自由や快適さを追求するあまり、誰かがその負担を背負っている、という構図です。

そうした現実に目を向けたとき、「我慢」は、単に個人の問題ではなく、社会全体のバランスを保つための、大切な要素なのだと感じます。すべてが自分の思い通りにいかなくても、じっと受け入れて耐える——その経験の中にこそ、人としての厚みや、人生の意味を見つめ直すきっかけがあるように思えるのです。

我慢を完全に否定してしまうのではなく、必要な場面ではしっかりと「耐える力」を持つこと。その姿勢が、今の時代にはむしろ必要なのかもしれません。

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