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「会議をすればうまくいく」という幻想

島田 直行 弁護士:島田 直行 投稿日:2025.06.10

私は、基本的に「会議」というものがあまり得意ではありません。もちろん、会議がすべて無意味だとは思っていません。けれども、「とりあえず会議を開けば物事が前に進む」という考え方には、少なからず違和感を覚えるのです。

大人数が集まる場では、どうしても自己紹介や雑談に時間を取られてしまい、本題に入るまでにかなりのエネルギーを費やすことがあります。目的も曖昧なまま、なんとなく時間が流れていき、最後には「では次回も同じ時間に集まりましょう」と予定だけが決まっていく——。こうした会議を重ねても、生産的な成果が得られるとは思えません。

日本の会議にありがちな問題点は、「何のために集まるのか」という目的が明確でないことです。情報共有をしたいのか、意見を集めたいのか、それともアイデアを出したいのか——その意図がはっきりしていないまま、人が集まる。そこに「会議をすればなんとかなる」という幻想が根強くあるように思います。

もちろん、すべての会議が無意味だと言いたいわけではありません。全体の認識を統一する必要がある場面や、チームとしての方向性を確認するためには、会議が有効に機能することもあります。ですが、人が集まるということには、それなりのコストがかかるという意識を持つべきだと私は考えています。

ですから私は、自分の事務所でも、会議の回数はできるだけ減らしています。必要な時は、スタッフ1〜2人と顔を合わせて、「これからどうしていく?」という話をする程度です。3人くらいがちょうど良い人数だと思っています。それ以上になると、どうしても傍観者が生まれてしまうのです。

私は、この「傍観者」の存在があまり好きではありません。仕事に真摯に向き合っていれば、必ず何かしらの意見があるはずです。たとえ「思いつきません」という一言であっても、それは立派な意見です。「意見がないこと」が悪いのではなく、「何も発信しないこと」が問題なのです。

そのため、私はスタッフにも「会議や勉強会に参加するなら、必ず何か一言は発言するように」と伝えています。質問でも感想でも構いません。それは、講師の方に対する礼儀でもあるからです。講師として話す立場になるとわかりますが、「質問があります」と言ってもらえるのは本当にうれしいものです。しっかり聞いてくれていた証拠ですし、伝わった実感があります。

話が少し脱線しましたが——いずれにしても、会議のクオリティを上げることは、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を推進する以前に、組織としてまず取り組むべきことではないかと私は思っています。無駄な会議をひとつずつ減らしていく。それだけでも、働く時間の質はぐっと上がります。

「自分は、なぜ今ここに座っているのか?」——そう自覚しながら会議に参加する人が増えれば、もっと生産的で有意義な時間が生まれるのではないでしょうか。

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