
「理由はないけど、なんか好き」って強い。
弁護士:島田 直行
投稿日:2025.07.01
「懐かしい味」って、誰にでもあるものだと思います。私にとってのそれは、意外かもしれませんが「砂ずり」なんです。
砂ずりって、焼き鳥屋さんでビール片手に…みたいな、ちょっと大人のイメージがあるかもしれませんが、私は子どもの頃から大好物でした。実家でよく食卓に上がっていたこともあって、身近な味だったんです。特に好きだったのが、にんにくと味噌と醤油で軽く煮込んだ砂ずりの一品。パンチのある味と、あのコリコリした食感がたまらなくて、ご飯が何杯でも食べられました。
学生時代、下宿先でもよく作っていました。安くて満足感がある、まさに学生の味方。でも不思議なもので、自分で作っても、どうしても母の味にはならない。分量も手順も聞いているのに、なぜかあの味には届かないんですよね。そんなときにふと思うんです、「これが懐かしさってやつか」って。
大人になった今でも、実家に帰ったときには「例のやつ、作って」と母に頼むことがあります。久々に口にすると、身体が「ああ、これこれ」と反応する。理由なんていらない。ただ、好きなんです。
砂ずりが好きな理由を説明しようとすると、「歯ごたえが好き」「飽きない味」「コスパがいい」とか、いろいろ思いつきます。でもどれも本当の理由じゃない気がする。ただ「なんとなく好き」。その感覚に一番近い。
そして最近、ふと思いました。こういう「理由はわからないけど、なんか好き」って、商売でもすごく強い感覚なんじゃないかって。例えば、「あの事務所、なんとなく安心する」「理由はわからないけど、なんか気になる」。そんなふうに思ってもらえるサービスって、すごく魅力的だと思うんです。
もちろん、そう感じてもらうためには努力が必要です。サービスの質を上げる、対応を丁寧にする、空間を整える…いろんな要素を積み重ねていく。でも最終的に目指したいのは、「なんとなく、ここがいい」と思ってもらえること。その感覚の背景を論理的に理解して、再現性を持たせていくことが、ある意味で経営の本質かもしれません。
皆さんにとっての「理由はないけど、なんか好き」って何ですか?
私は、間違いなく「砂ずり」ですね。今夜も、ちょっと食べたくなってきました。
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