
「人は変わるものだと、あらかじめ知っておく」
弁護士:島田 直行
投稿日:2025.06.02
ひとりの人間というのは、実に多面的な存在だと思います。あるときはこう語り、また別の場面ではまったく違うことを言う。そんなことは、決して珍しいことではありません。
たとえば、ブログにある考えを書いていたのに、セミナーではまた違う意見を述べている。そういう場面を目にしたことのある方もいらっしゃるかもしれません。一見すると「矛盾している」と受け取られるかもしれませんが、だからといって、その人が信用できないということには直結しないのではないでしょうか。
もちろん、事実に関して異なることを述べるのは、問題です。それは信頼にも関わりますし、慎重であるべきです。けれど、「考え」や「見解」といった個人的なスタンスは、そもそも固定されたものではなく、むしろ時間とともに変化するのが自然です。過去に発信した内容と現在の自分の考えが異なることも、十分あり得る。それは不誠実ではなく、ごく普通のことのように思います。
人は社会的な存在であり、日々外部からさまざまな影響を受けながら、自分の価値観や判断基準を更新していきます。あのときの自分と、いまの自分が少し違っていても、それを否定する必要はありませんし、「一貫していなければならない」というプレッシャーは、時に息苦しさを生み出してしまいます。
むしろ、人間がある程度「ふわふわ」していることは、自然であり、避けられないことなのではないでしょうか。あいまいさや揺らぎを許すこと、それ自体が人間らしさの一部だと感じます。そして、それを受け入れる柔軟性が、より良い人間関係や対話を生むのではないかと思います。
はっきりと白黒をつけることが求められる時代ではありますが、あいまいな部分を認め合うこともまた、大切な価値観のひとつではないでしょうか。人の多面性を受け止める。それは、寛容であること、そしてお互いの変化を尊重することにもつながる気がしています。
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