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「勝つこと」と「終わらせること」は違う

島田 直行 弁護士:島田 直行 投稿日:2025.04.30

弁護士として仕事をする上で、私がとても大切にしていることがあります。それは、「事案をとにかく終わらせる」という姿勢です。言い換えれば、「解決すること」を第一に考えているということです。

このような考え方は、法律関係の書籍や記事などでもよく見かけますので、ご存じの方もいらっしゃるかもしれません。ただ、弁護士に対する一般的なイメージとしては、法廷での勝敗にこだわる姿が浮かぶことが多いのではないでしょうか。実際、徹底的に勝ち負けを重視する弁護士もいますし、そのスタイルを好む依頼者の方もいらっしゃいます。それも一つの正しい在り方だと思います。

ただ、私自身のスタンスは少し異なります。私にとって最も大事なのは、目の前の問題をきちんと「解決すること」です。人は、問題を抱えていると不安になります。気持ちが落ち着かず、前に進むことができなくなってしまいます。しかし、そうしている間にも、時間はどんどん過ぎていきます。悩みの中にとどまり続けているうちに、かけがえのない時間を失ってしまうのです。

特に法律問題の多くは、自分ひとりで抱え込んでいてもなかなか解決の糸口が見えにくいものです。だからこそ私は、できる限り早く事案を解決し、依頼者の方が次の一歩を踏み出せるようにすることを重視しています。

「そんなことを言っては弁護士として良くないのでは」と思われるかもしれません。しかし、私は「勝つこと」よりも「終わらせること」に重きを置く姿勢もまた、弁護士としての大切な役割だと考えています。

ここで誤解していただきたくないのは、「価値ある解決」と「単なる終結」は全く違う、ということです。裁判で勝つことが、必ずしも本当の意味での解決につながるとは限りません。時には、勝利によって相手方の反発を強めてしまい、問題がさらに複雑化してしまうことすらあります。

ですから、「問題をどう解決するか」という視点に立つと、事件の扱い方も全く異なって見えてくるのです。実際、私が受任した案件では、裁判に至った場合でも和解によって解決するケースが圧倒的に多くあります。情報を整理しつつ、一定の譲歩をすることで、早く確実に問題を終わらせるという道を選ぶことができるのです。

私は「早く悩みから解放されたい」というニーズが、実際に多く存在していると感じています。人は、勝ち負けよりもまず苦しみから逃れたいと願っているのではないでしょうか。金銭的な損失であれば、後から働いて取り戻すことも可能ですが、失った時間は決して戻ってきません。

ですから、何か法律問題に直面したときには、「何を守るための行動なのか」をあらためて見つめ直す時間を持ってほしいと願っています。感情に流されてしまい、狭い視点で判断を下してしまうことは、かえって自分自身を苦しめる結果になりかねません。

結局、自分の苦しみを本当に癒せるのは、自分しかいません。弁護士ができるのは、そのプロセスを少しだけ後押しすることだけです。だからこそ、私は依頼を受ける際には、まず「何をもってこの問題を解決とするのか」を丁寧に話し合うようにしています。そこが定まらないと、対応の方向性も定まらなくなってしまうからです。

現代は、日々の忙しさに追われて、自分が何を大切にしているのかをゆっくり考える時間が持ちづらい時代です。だからこそ、時には立ち止まり、「自分にとって本当に大事なことは何か」を考える時間を持ってみてほしいと思います。

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