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「学びは身銭を切らないと分からない」という話

島田 直行 弁護士:島田 直行 投稿日:2025.05.09

本日は、事務所でスタッフを対象にした研修を実施しました。講師をお願いしたのは、私が開業当時からお世話になっている信頼のおける方です。この研修は今回が初めてではなく、何年も前から定期的に繰り返し実施しているものです。

私は開業当初から、社員教育には相応の投資をしてきました。というのも、法律事務所というのはサービス業です。目に見える商品を扱っているわけではなく、「形のないもの」を提供しているからこそ、サービスの質が何よりも問われます。そして、そのサービスの質を支えているのは、働く人の姿勢や考え方、つまりマインドだと私は考えています。

だからこそ、人に対する投資を怠ってはならないと思っています。むしろ、そこにしっかりと時間と資源を投じることで、長期的な事務所の成長につながると確信しています。

研修について、私が常々感じているのは「一度聞いただけでは何も定着しない」ということです。たしかに新しい知識を聞いたときには、「なるほど」と思うこともありますし、記憶に残ることもあるでしょう。でも、それだけでは日々の仕事の中で活かされるレベルには至りません。

学びが組織の「価値」へと転化するためには、「定着」というプロセスが不可欠です。知識や考え方は、繰り返し時間をかけて伝えられることで、ようやく自分の中に根付いていくものです。にもかかわらず、私たちはつい新しい情報ばかりを求めがちで、結果として何も定着しないということも少なくありません。

ですから私は、「限られたことを繰り返す」という姿勢を大切にしています。それがスタッフの成長にもつながり、ひいては事務所全体の成長にもつながると信じています。

こうした学びの機会に関して、私にはひとつの信念があります。それは、「学びは身銭を切らないと分からない」ということです。人は、自ら費用を負担してこそ本気で学ぼうとするし、その学びを自分の仕事に活かそうとします。

確かに、無料で得られる情報もあります。しかし、それが事務所の価値向上に直接結びつくかといえば、私は懐疑的です。プロである以上、学びに対しても適正なコストを払うべきだし、自らが提供するサービスにも適正な報酬をいただくべきだと思っています。

私は良いと感じたセミナーや研修には、まず自分で費用を払って参加します。無料で話を聞いただけで判断することはしません。実際に参加してみて「これはうちには合わないな」と思うこともありますが、それはそれで大切な学びです。判断材料が得られたというだけでも、私は立派な投資だったと捉えます。

逆に、「これは事務所の価値観やクオリティを高めてくれる」と確信できたなら、さらに投資をするだけのことです。どこに価値を見出すかは、結局のところ考え方次第なのです。

いずれにしても、自分でお金を払い、自分の時間を使って体験したことしか、人は本気で語ることはできません。これは学ぶ側に限らず、研修を企画・実行するマネジメント層にも言えることだと思います。

「身銭を切る」というのは、少し堅い言葉かもしれませんが、学びの本質をよく表している気がします。これからますます労働人口が減少していく時代において、「人に投資する」という発想は、より一層大事になってくるのではないでしょうか。その投資の姿勢が、経営者としての器量を問われる部分だと私は思っています。

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