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ハラスメント

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悪質クレーム対応時に経営者が注意しなければいけないポイント

島田 直行 弁護士:島田 直行 投稿日:2017.02.15

クレームは、それ自体は経営の品質をあげるべきものです。社長をはじめとしてなにより最初に対応するべきものです。クレームをきっかけにファンになってくれるケースもあります。クレーム対応のレベルが企業のレベルと言っても過言ではないでしょう。でもなかには常識を逸したクレームを言ってくる人もいます。こういった悪質クレームをする主張する人は、正当な顧客ではなくクレーマーです。こういったクレーマー対応に悩んでしまうには理由があります。

お客様第一主義という名の強固な呪縛が原因です

 クレーマー担当者が疲弊する理由は、相手がクレーマーと言えども「お客様」だからです。企業では、お客様第一主義を標榜しているところは多いでしょう。利益の源泉はすべて顧客ですから顧客を大事にするのは商売の原点であることに間違いはありません。ですがお客様第一主義が形式に解釈されてしまうと担当者としてもいったいどう対応すればいいのか混乱します。

 クレーマーからの不当な要求には、毅然とした対応が求められます。執拗な要求をしてくるからと言って安易に妥協すれば、本来自社を信用してきた顧客を裏切ることになります。きちんとした顧客が不利になることは誰にとってもおかしなことです。なにより社員としては、「こんな会社なのか」とモチベーションも下がってしまいます。

 このように毅然とした対応が必要であるにもかかわらず社長から「お客さんだからうまく断っておけ」と適当な指示を受けた担当者はどのように対応すればいいのでしょうか。うまく断ることができないからみんな疲弊しているわけです。あまりにも無責任な指示でしょう。まさに「お客様だから」というお客様第一主義の呪縛にからまれています。

 お客様第一主義というのは、自社のお客様を大事にするというあたりまえのことを語ったものです。「サービスや商品を購入した人にすべてしたがう」という趣旨のものではありません。

クレーマーの定義を自社で明確にする

 不当な要求をするような方は、自社にとって本当に「お客様」になるのか冷静に考えてみてください。そういう方に対していつまでも気を遣って社員を貼り付けてサービスを提供し続けることが事業を通じた社会貢献になるのでしょうか。私は、「それは違う」と考えています。すくなくとも私の顧問先には、「そういう発想は辞めましょう」としています。

 クレーマー対応がしっかりしている会社は、こういったお客様第一主義の理解が明確です。誰でも彼でも売上になればお客様とはとらえていません。近江商人の発想ではありませんが三方由となってはじめて商売が成り立つことを理解しています。

 クレーマー対応として最初にやるべきことは、「こういう人はもはやお客様ではない」という定義を明確に策定することです。簡単にいえばなにをもってクレーマーとするかの基準を明示するというものです。こういった基準があることで社員も「クレーマーとして毅然とした対応をしていいのだ」と安心することができます。安心は自信になります。

 社員は、社長が考えているよりもずっと自分の生活を案じています。「失敗したら叱責されるのではないか」など不安な気持ちがあるとクレーマーに利用されてしまいます。自信こそ最大の武器になります。

 こういったクレーマーの定義は、できるだけ明確で客観的なものでなければなりません。個人の評価をともなうようなものであれば、担当者によってクレーマーなのかどうかの判断がずれてしまってかえって混乱します。例えば電話で「おまえ」と発言する、一日に同じことを5回以上電話してくる、直ちに自宅における謝罪を求めるなど。

クレーマー担当者を賞賛する文化を広げる

 クレーマー担当は、会社においてもっとも精神的に負担の大きい業務でしょう。それにもかかわらず孤独に担当させて「なんとかしておいて」というのではたまったものではありません。ある意味では企業としてもっとも評価されるべき部署でしょう。

 事業って開発や営業といった華やかな部分ばかりが強調されてしまう傾向があります。ですが華やかな部分が光るのは、その背景にある部分ががんばっているからです。そういった一見すれば目立ちにくいところにも配慮できる社長こそ見事な経営手腕を発揮されています。

 評価がされなければ担当者からは辞表がでてくるでしょう。それほどハードな業務なのですからみんなで情報を共有して「ひとりではない」という感覚をもってもらいましょう。そのうえで「よくがんばっているね」と賞賛するような会社にしていきましょう。

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