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ハラスメント

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まったく話を聞かないクレーマーへの現実的な対処法はこれだ

島田 直行 弁護士:島田 直行 投稿日:2020.10.15

世の中にはクレーマー対応についての本がたくさんある。みなさん工夫を凝らしながら精神的に滅入ってしまうクレーマー対応に従事している。いくら業務といえどもクレーマーからの電話は本当にしんどいものだ。「クレーマー対応をやっています」と看板を掲げている弁護士が言うのだから安心して欲しい。「こういった辛い経験こそキャリアアップになる」という上司からの励ましもあるかもしれないが渦中の当事者にはなかなか届かないものだ。でも個人的な経験からしてクレーマー対応を担当するとずいぶんと人間関係におけるやりとりがうまくなる人が多い。冷静に相手との距離感をとることができるようになるのだろう。「この業務はつらい」と感じることもあるだろうができるだけ前向きにとらえて欲しい。ただしんどいときには上司にSOSをだすことも大事だ。それで心身に支障がでてしまえば誰にとっても幸せなことではない。「はやめにSOSをだす」ということは言いだせるような環境を作っておくということ。会社一体でクレーマー対応について考えていただきたい。

さてクレーマーについて「一方的に大声で話をしてこちらの話をまったく聞いてくれない」という相談がよくある。というかすごくある。たいていの相談は、「こちらの話を聞いてくれないのです。なぜでしょう」というものだ。言いたいことはわかるが回答は残酷なものになる。話を聞いてくれない理由は、そもそも聞く意思がないからだ。それ以外にはない。普通の対話は、話すことと聞くことのキャッチボールだろう。でもクレーマーの不当な要求には、聞くというプロセスはない。聞くことは負けることを意味する。だからこそ聞く気がない。

裁判をこちらからおこすと「担当者から説明が全くなかった」などと言われることもある。「そんなバカな」と担当者は言いたくなるものだ。クレーマー対応というのは、そういった不条理の積み重ねだ。心折れてはならない。逆に言えばきちんと説明したと言うことはなんらかのカタチで残しておきたいところだ。たとえば書面で送るのもひとつだろう。

もっとも場合には、それどこではないときもある。一方的に威圧する発言を繰り返して「話にならない」ということもある。大人の態度としてどうなんだという疑問もあるところだが考えても仕方ない。そういうときには「こちらの話を聞いていただけないのであれば切らせていただきます」と伝えて電話を切るのもひとつだ。いつまでもつきあってたら本当に心壊れてしまう。なにごとにしても限度というものがある。「じっくり話を聞きましょう」というのは道徳的には正しいだろうが、これにしても限度というものがあるだろ。

電話を切ったら「てめぇ、電話を切ったな」とさらにヒートアップした電話がかかってくるのが通常だ。「勘弁してくれよ」と泣きたくなるような瞬間ではあるがここが肝心なところ。安易に「さきほどは失礼しました。申し訳ありません」と適当になだめようとするとさらに相手の要求を聞き続けなければならない関係になる。上司がすべて対応してくれたらいいがたいていは「うまくやっておいて」と事務方の担当者のトップがさせられる。任せるのではなくさせられる。こうなると担当者としても「いい加減にして欲しい」というやさくれた気持ちになってしまう。ヒートアップした電話があったときには、同じように電話を切る。これを繰り返すことだ。会社としての姿勢を明確に伝えることだ。

こういったことを実際にやるとなると怖いもの。「電話を切ったら大変なことになるのではないか」と想像して身動き取れなくなる。でも電話を切ったからといって具体的にどのようになるのか冷静に見定めて欲しい。最悪のケースとしては「訴えられるのではないか」というものだ。大丈夫。訴えられたとしても別に刑事事件になるわけではない。むしろ司法の場で相手の無茶な態度が明らかになるだけだ。訴えることを恐れる必要などゼロ。むしろ訴えられたら物事がスムーズに進むと考えて欲しい。

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