ボロボロの相棒が教えてくれた、毎日の「積み重ね」のこと。

事務所のキャビネットを、このたび買い替えることにしました。

元々は紙製のボックス型のものだったんですが、毎日毎日、書類を入れては出し、出しては戻し……。気づけばすっかりボロボロになっていました。

角が擦り切れ、くたびれたその姿。 普通なら「ただの劣化」に見えるかもしれません。でも、不思議ですね。今の僕には、それがとても愛おしく、誇らしく見えるんです。

「あぁ、ここまで使い込んだんだな」 「自分も、スタッフのみんなも、本当によく頑張ってくれたな」

その傷の一つひとつが、私たちの仕事の足跡であり、奮闘の証（あかし）。 毎日当たり前のように過ぎていくけれど、今日の地味な作業の繰り返しが、確実に明日へとつながっている。言葉で説明するのは難しいけれど、このボロボロのキャビネットが、その事実を静かに語ってくれている気がします。

今の時代、便利なガジェットやサービスは溢れています。でも、スマホの機能を100％使い切れている人がほとんどいないように、私たちは「あるもの」を本当の意味で使い切る経験が減っているのかもしれません。

だからこそ、こうして道具を寿命が来るまで使い切れたことに、清々しさを感じています。 「使い切る」ということは、終わりではなく、新しいものやアイデアと出会うための準備なのかもしれません。

お疲れ様、そしてありがとう。 新しいキャビネットもまた、良い「相棒」になりますように。