
三人いると、なぜか安心するんです
弁護士:島田 直行
投稿日:2025.07.26
久しぶりに読書の時間が取れたので、前から気になっていた『トリニティ組織』という本を手に取りました。
タイトルだけ見ると、なんだか難しそうな組織論の本かなと思われるかもしれませんが、実際に読んでみると、とても人間的で、身近な感覚に寄り添ってくれる内容でした。
人間関係って、あまりに当たり前すぎて、あらためて考えることって少ない気がします。でも、よく考えてみると、私たちの幸福感って、かなりの割合で人との関係に左右されているんですよね。日々のやりとりや、ちょっとした気遣い、空気感。そういったものが、じわじわと自分の感情や思考を変えていきます。
この本の面白いところは、そんな “あいまい” で “ウェット” な人間関係の感覚を、科学的・論理的にとらえ直している点です。
中心となるのが、「V字構成」と「三角形構成」という2つの関係の形。たとえば、AさんとBさんが親密にやり取りしていると、どうしても二者関係の力学が強くなりがちです。そこにCさんが入ると、関係性が三角形になる。これが意外と安定するらしいんです。
たしかに、職場でも家庭でも、二人だけで抱え込むより、第三者がいることでバランスが取れたり、視点が広がったりする場面ってありますよね。この三人の関係性を「トリニティ」として捉え直し、組織や人間関係の安定性をどう築いていけるかを論じているのが本書の魅力です。
個人的には、経営の現場だけじゃなく、もっと広く、家族や地域の中でも応用できる考え方だなと感じました。孤独や分断が課題になっている現代だからこそ、「一対一」だけでなく「三人で支え合う」という視点は、とても大切だと思います。
三という数字には、昔から特別な力があるとされてきました。「三位一体」とか、「三本の矢」とか、いろんな言葉がありますが、やはり人間の本能として、三という構成に安心感を感じるのかもしれません。
これから私も、自分のセミナーや日常の関わりの中で、「一人足して三人」をちょっと意識してみようかなと思いました。誰かと誰かの間に、そっともう一人入ってみる。そんな関わり方が、思いのほか豊かさをもたらすかもしれません。
CONTACT
お困りごとは、島田法律事務所で
解決しませんか?
お急ぎの方はお電話でお問い合わせください。
オンライン相談をZoomでも対応しています。
083-250-7881
[9:00〜17:30(土日祝日除く)]