力を抜くことにも、ちょっとしたコツがある
弁護士:島田 直行
投稿日:2025.10.26
最近、物事が思うようにいかないときに、相談を受ける機会が増えてきました。
仕事や人間関係、あるいは自分自身のあり方について――。
皆さん、それぞれの状況のなかで、今をどう乗り越えようかと、真剣に考えておられます。
特に、真面目で責任感の強い方ほど、「自分の力が足りなかったのでは」「あのとき、もっとよい対応ができたのでは」と、自分を責めてしまいがちです。
でも私は、そうして悩むこと自体が、実は「優しさの表れ」だと思っています。
自分のふるまいや言葉が、誰かにどう影響したのかを思い返す。
それは、相手や状況にちゃんと向き合おうとしている証拠です。
むしろ何も悩まない人のほうが、周囲と向き合うのが難しい存在かもしれません。
ただ、そうした真面目な方々が陥りやすいのが、「完璧でいなければ」という思い込みです。
少しの失敗やつまずきも許されないように感じて、自分の中で身動きが取れなくなってしまう。
そんなとき私は、「まずは、肩の力を抜いてみませんか」とお伝えするようにしています。
完璧な人なんて、どこにもいません。
どんなに理想的に見える家族にも、きっとそれぞれの悩みや事情があります。
SNSで目にする、きらきらした日常も、その多くは「ちゃんとしている自分」を丁寧に演出したものかもしれません。
完璧であろうとすることは、ときに心を疲れさせます。
なぜなら、完璧というのはとても脆く、ほんの少しの傷や揺らぎで「もうダメだ」と思わせてしまうからです。
でも私は、不完全なものにこそ、あたたかさや人間らしさがあると思っています。
少し足りなかったり、少し歪んでいたり。
そういった部分に、その人らしさや、人生の豊かさがにじみ出るのではないでしょうか。
人と比べて苦しくなることもありますよね。
他人の暮らしが輝いて見えるのは、ある意味では自然なことです。
私たちは、他人との比較のなかでしか、自分の輪郭を知ることができないのかもしれません。
だからこそ僕は、「まぁ、ぼちぼちでいいんじゃない。他人と比較しても不毛だよ」とお伝えすることが多いですね。グダグダなアドバイスですが、要は目線を他人ではなく自分の足元に戻しましょうということです。
力を抜くというのは、実はなかなか難しいことです。
でも、大人になってからこそ大切なのは、「どうやって力を抜くか」を学ぶことなのだと思います。
がんばることは素晴らしい。
でも、ときには立ち止まって、深呼吸をして、ほんの少し力をゆるめてみる。
それだけで、見える景色が変わってくることもあります。
もし今、ちょっと疲れているなと感じたら、ぜひ肩の力をふっと抜いてみてくださいね。
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