
月曜のざわめきと、静けさの確保
弁護士:島田 直行
投稿日:2025.07.07
月曜日というのは、どうしてこうも慌ただしいのでしょうか。
私の場合、土日に連絡がつかなかった案件が週明けとともに一気に動き出して、朝からメールや電話が途切れなく続きます。まるで止まっていた時間が一斉に再生ボタンを押されたような、そんな感じです。
若いころは、そうした月曜の忙しさも気力と勢いで乗り越えていました。「なんとかなるだろう」と思って、とにかく目の前のことを処理していく。けれど、年齢を重ねるにつれて、そういった力任せのやり方は少しずつ通用しなくなってきました。
今は、無理に抗うのではなく、流れを受け入れながらうまく調整する。そんな合気道のような働き方を意識しています。正面からぶつかるのではなく、うまく力を逃がしながら、少しでも軽やかに過ごす。そのために私が実践しているのが、「月曜日の予定をあえて軽くする」ということです。
何が起きるかわからないからこそ、あらかじめ余白をつくっておく。そうしないと、不意の出来事に対応できなくなってしまう。作業の時間だけではなく、考える時間、気持ちを整える時間も含めて、余白は必要です。
ただ、空いている時間があると、つい「ここで何か片付けておこうか」と思ってしまうのが人間の性。だから私は、自分のカレンダーに「この時間は何もしない」とあらかじめ書き込んでおきます。予定を埋めないための予定、ですね。
無理をしない、自分のペースで仕事をする。若いころにはそれが「甘え」のように思えたこともありました。でも今は、「今の自分でどう働くか」を考えることこそ、成熟の一歩なんじゃないかと思っています。
そんな感覚は、『風姿花伝』を読んだときにも感じました。あの本には、「年齢に応じた芸のあり方」が書かれていて、そのときどきの自分にふさわしい表現を大切にすることが語られています。無理に若さを追いかけるのではなく、今の自分だからこそ出せる味わいを信じる。
働き方も人生も、そうやって少しずつ形を変えながら続いていくものかもしれません。月曜の朝のざわめきの中に、そんなことをふと思ったのでした。
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