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歯科医師のクレーム対策:「こんな噛み合わせでは納得できない」というクレームをいかにして終わらせたか

島田 直行 弁護士:島田 直行 投稿日:2019.10.19

今回はクレーマーとはちょっと違って一般的な歯科医師に対するクレームについてです。「歯医者さんも大変だな」とわかっていただければと思って書いてみましょう。

歯科医師からの相談として多いもののひとつに噛み合わせに関するクレームがあります。歯科治療のいっかんとして歯を削るというものがあります。歯を削ればあたりまえですが従前の噛み合わせと違ってきます。そのため事後的に「こんな治療はおかしい」とクレームになることがあります。

こういったクレームは、大別するとふたつあります。①十分な説明もないまま歯を削ったというものと②削ったら噛み合わせが悪化したというものです。

歯を削ることを聞いていない

あたりまえですが歯科医師としては、治療方針を説明する義務があります。これは歯を削る場合でも同様です。歯科医師であれば、患者に対して歯を削ることを説明して実施するはずです。ですがなかには、事後的に「歯を削るなど聞いていなかった」と苦情を申し立ててくる人もいます。歯科医師としては、「きちんと説明しました」と述べても言った言わないの議論に落ち込んでいっそうの反発を受けることがあります。

「説明をした」ということと「説明したことのわかる資料がある」というのは別次元のことです。いくら事実として説明したとしても事後的に説明できる資料がなければ意味がありません。事後的な訴訟などでは当時のカルテの提出を求められることが一般的です。そこにきちんと「歯を削ることの説明をして同意をえた」という記載があるかが大事です。面倒に感じてもこういったエビデンスを残しておくことが自分の身を守るために必要です。

患者のなかには、将来トラブルになりそうな人もいるかもしれません。そういうときには説明内容を書面にして同意書をもらっておくこともひとつの方法です。実際同意書を用意してトラブルを回避させた案件もあります。「なかなか書面までは」というためらいがトラブルを引き起こしてしまいます。

こんな噛み合わせとは聞いていなかった

クレームとして多いのは、やはり事後的に「噛み合わせに違和感がある。治療に失敗しているからどうにかしろ」というものです。事務所でも対応することが多い事案のひとつです。

そもそも患者としては、「歯を削ってもなんら違和感がないこと」を当然の前提にしているときがあります。ですが現実の治療では歯を削れば従前の噛み合わせとまったく一緒というわけにはいきません。噛み合わせが違ってくるのですから何らかの違和感がでてしまうことも予想されることです。歯科医師としては、こういったことを事前に説明しているでしょう。ですが患者のなかには、「そんなことは聞いていない。もとに戻せ」というケースもあります。

ある歯医者では、ある患者からのクレームに悩んでいました。噛み合わせの検査をしても問題がないにも関わらずまったく納得してもらえず繰り返し電話と面談を求めていました。歯医者は、患者からの申し入れがあってなんども確認して調整もしました。それでも患者の不満は終わりません。しまいには「治療のミスだ。慰謝料を支払え」ということになりました。しかもあまりにも高額な要求をされて相談ということになりました。

歯医者からのオーダーは、①直接の話し合いはもはや精神的にも滅入るので回避したい②早期に解決して欲しいということでした。

早速患者に連絡をしましたがこちらの説明にはいっこうに耳を傾けません。ひたすら自分は被害者であって要求した金額を支払えというものでした。相手に弁護士でも就いてくれたら冷静に話し合いもできるのですが感情的になっている本人が相手だとなかなか交渉も進展しません。むしろいきなりクリニックに来所して不満を述べるなど業務にも支障がでるようになりました。声が大きいために受付のスタッフもこわがるような状況になっていました。

そこで当方から調停を簡易裁判所に提出しました。こちらから裁判所の手続を利用して相手に裁判所に来てもらうことにしました。そうすると相手もさすがに冷静になって話が進みました。こちらとしても主張するべきところを主張していきました。結果として金銭を支払う内容で話し合いを早期に終了させることができました。支払った金額は、相手の請求額に比較すればかなり低額なものとなりました。「早期に終わらせてくれてありがとう。これで集中できる」とクライアントからは喜ばれた事案でした。

このように交渉ではなくあえて裁判手続を利用することもひとつです。とかく医療機関は、「患者だから問題をあまり大きくしたくない」と考えてしまいます。それがかえって問題を大きくしていることが多々あります。そもそも「問題を大きくする」というのは、それが広く周囲に知られて困るという趣旨でしょう。調停は非公開なので外部には漏れません。しかも事務所では、合意するときに「今回のことは口外しない」という取り決めも書面で相手とすることがあります。裁判所の手続=広く知れ渡るというものではありません。

問題解決のために利用できるものを利用するというスタンスが現実的な対策として重要でしょう。

歯科医師に関しては、「『白い歯にならない。ミスだ!』と詰め寄られないために」も人気記事ですのでご覧ください。

また本の中では、医療関係の事例もいろいろあげています。「うちの病院に関係するかも」という事例もあるかもしれませんのでご覧ください。

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