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ハラスメント

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社員に対する指導がパワハラにならないために経営者が読むべき3冊

島田 直行 弁護士:島田 直行 投稿日:2021.06.24

改正労働施策総合推進法では、現状では努力義務とされているパワハラの防止措置が中小企業においても2022年4月から法的義務となります。パワハラの防止が健全な企業経営に必要なことは誰しも理解されているもののいまだ改善されていない部分があるのも否めません。いっときの感情で言い過ぎた発言をして事後的にパワハラだったのではないかと指摘されることになります。また別の視点からすれば、管理職がパワハラと批判されることを恐れすぎてあるべき指導がなされていないという問題も顕在化しています。この部分についての問題意識は、「社長、辞めた社員から内容証明が届いています」にまとめていますのでご覧ください。

問題の本質としては、あるべき指導はどのようになされるべきかということです。「甘すぎてもだめ、厳しすぎてもだめ」という塩梅が難しいところです。そこで僕がセミナーなどで参考図書として紹介させていただいているものを列挙しておきます。いわゆる簡単に読めてしまうビジネス書ではありません。読んで理解をするのに努力を要するものばかりです。ですが経営者が自分のスキルを伸ばしていくには、そういった背伸びや努力が不可欠です。ぜひ参考にされてください。

社員のレベルは経営者の器によって決まる

著者は銀行家というスタンスから数々の企業再建に尽力された著名な方です。何冊か経営書がでていますがいずれも骨太の内容になっています。僕の事務所開業時から何度も読み直す数少ない本のひとつです。いっかんするのは「社長とはなにか」ということです。たいてい「うちの社員はよくない」と批判する経営者は、自分自身に課題をもっているものです。つまるところ社員というのは自分と同じものなわけです。会社は、どういう規模でも社長の器以上のものにはなりません。それが著者一貫の姿勢と言えます。トップとしての責任の取り方や人の指導の仕方など「ひと」に関することが網羅されている。30年以上前の本なのにいまだに売れ続けていることが内容の普遍性を示しています。特に大事な姿勢は部下に対して尊敬の念を抱くことかと。トップが「雇ってやる」という姿勢だと組織も腐ります。

人は自分を理解することができない。だから他者を求める

部下の育成を考える前に抑えるべきところは「コミュニケーションとはなにか」ということです。いくら育成のノウハウを学んでも定着しないのは、前提となる自分と他者の関係というものが整理されていないからでしょう。そもそもコミュニケーションという言葉自体がなんとも曖昧。経営者であればコミュニケーションが大事であることは誰しも異存がないでしょうが具体的な内容を問われると言葉につまるでしょう。結局のところ飲みニケーションなどで終わってしまいます。ですが現状では飲みニケーションすらなかなかできるものではないです。僕は、コミュニケーションというのは相手を知るというプロセスだと考えています。愛情というのは興味をもつことからはじまります。「そんなウェットな関係は不要」という批判もあるかもしれない。そもそも「社員のプライベートに関わるべきではない」というのが教科書的な回答でしょう。でも本当に中小企業というのは成り立つのでしょうか。僕は、古いと批判されても各社員が悩みを共有できる場所こそ経営者作るべきモデルではないかと考えています。そのために必要なことが相手のコンプレックスを共感すること。人は、自分で考えるほどに自分というものを理解していません。他者というのは自分を知るための存在ということです。他者と自分をつなげるために誰しもが抱くコンプレックスについての理解を深めることは必須でしょう。

人を育てるには、「割り切る」という心がけも必要になる

経営者のなかにはストア哲学を支えている人も少なくないです。禁欲主義といわれてストイックの語源にもなっています。禁欲主義というとまるで「欲を抱くことが悪い」というように事業意欲を否定するように誤解されてしまいそうですが内実は違います。この思想の特徴は、現実の解決になるという意味でとてもリアリスティックということです。いくら哲学を学んでも役に立たなければ意味がないでしょう。僕がストア哲学が好きなのは、「できないことに悩んでも仕方ない」という割り切りが根底にあるからです。ひとの問題なんてさいたるものでしょう。「なぜこんなことに」と他人のことで心を痛めるものです。相手が実際にはどう感じているかわからいままいろいろ考えて自分を追い込んでしまいます。そうした悩みは日頃の経営にも悪影響を及ぼします。経営者はひとつのことにとらわれるだけの時間的余裕はない。だからこそのストア哲学です。たぶん書いてあることは「それはそうだ」と言えることばかりです。わかっていることなんですが読書後には背中を押してもらえるからこそ必要なわけです。こういった割り切りは部下が悩んでいるときのアドバイスにもなります。

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