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ハラスメント

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クレーマーの事例:引退して時間を持て余す人がクレーマーになってしまう

島田 直行 弁護士:島田 直行 投稿日:2019.11.13

クレーマーは、いろんな人がいます。とくに最近目立つのは、定年退職したの方々が自分の正義をかざして執拗な電話などをしてくるようなケースです。一見すると穏やかで知的な印象の人が苛烈な表現を用いて誰かを責め立ててくることもあります。

こういったケースは、行政あるいは病院といった組織の窓口で問題になることがよくあります。窓口の人も「市民の声は丁寧に聞かないといけない」と意識しているので話を聞きます。丁寧に聞いて説明をしても相手は一向に理解してくれません。同じことの繰り返しでヘロヘロになってしまうこともままあります。

年配の方がクレーマーになったときの特徴は、自分の過去の実績を自信にして「こうあるべきだ」という自分の正義を語るところです。「勤務していた頃はこうだった」「自分はこの分野に精通している」など誰かを諭すようにものを言います。みなさんもクレーマーから一方的に上から目線で何かを言われたことがあるでしょう。誰しも上から目線で言われるといい気がしません。しかもクレーマーは、「自分が正しい」ということを前提にしているために話し合いによる妥協というものを想定していません。妥協というのは、クレーマーにとって負けることに等しいからです。

こういったタイプの方は、おそらく孤独で社会との接触を求めているものだといえます。仕事をしていたときには、「やるべきこと」があって時間を持て余すということがありませんでした。仕事の隙間に余暇というものがあってあくまで次の仕事までのリフレッシュ期間という位置づけだったのでしょう。仕事は、多くの人にとって社会との接点になります。そこには負担もありますが新しい出会いや達成感というものがあります。逆に言えば仕事でしか社会との接点を持っていないとなると定年退職によっていきなり社会との関わり方が希薄になってしまい「なにかちがう」という気持ちになってしまうのかもしれません。

自分の状況に対する違和感を新しい趣味などで解消でればいいのですがなかなかうまくいくとは限りません。あらゆる事情を従前の仕事と比較してしまうために趣味などにトライしてもいまいち乗る気にならないというのはよく耳にします。どうしても仕事のように結果と評価というものにつながらないからです。なにかを達成することによる周囲からの評価というものは、独特の高揚感を個人に提供するものです。いちど味わうと「より高いのレベルのもの」を求めるようになります。それは仕事のモチベーションを保つという観点からはいいことです。ですが求めつつも手に入られないという状況になるとストレスになります。

こういう人は、とかく「間違っている組織なりを自分の手で修正してやろう」といううがった正義感が根底にあります。その正義があくまで自分にとっての正義であって絶対的なものではないということが理解できない。だからこそ「正義の押し売り」であるということがわかりません。むしろ自分の意見に応じて動かない相手に承服できません。しかもこういった人は、相手が行政とか医療機関といった公的で組織として大きなものを対象にしがちです。「自分が社会の役に立っている」という満足感を得やすくなるからです。担当者に迷惑をかけているという意識はありません。

仕事を離れたときにどうやって社会との接点を持ち続けるか。それは予め自分のなかで決めて用意しておくことが必要ですね。

こちらの本においてもクレーマーが生まれる要因についてまとめています。ご興味があればご覧ください。

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