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ハラスメント

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クレーマーの心理:自分は被害者であって尊重されるのが当然である

島田 直行 弁護士:島田 直行 投稿日:2019.10.14

私たちは、相手が不当な要求をしているとわかっていてもなかなか断固拒否という姿勢をとることができません。そういった姿勢をとることができない理由はいろいろありますがひとつにはクレーマーの心理が影響しています。こういったクレーマーの心理を理解しておくことは問題解決に向けて冷静な対応をしていくうえで参考になります。

あたりまえのことですがクレーマーは、自分が不当な要求をしているクレーマーであるという自覚をもっていません。むしろクレーマーは、一方的に自分を被害者と設定して「被害者として尊重されるべきもの」と考えています。ここにクレーマー対応の難しさのひとつがあります。クレーマーは、自分をあえて被害者という立場に置くことで会社側を加害者という構造にいつのまにかもっていきます。仮にクレーマーが会社に対して「こういった理由で会社が加害者だ」と述べれば会社としても具体的に否定することもできます。ですがクレーマーは、たいていの場合に具体的な加害行為も曖昧なままひたすら自分を被害者というように述べます。会社としても「自分は被害者だと」と言われると会社に対するダイレクトな指摘ではないため強く否定することもしにくいものです。むしろ被害者と言われると「どうにかしないといけない」という焦燥感に襲われます。クレーマーの心理としては、こういった会社側の焦りを待っています。

実際に被害にあっているのであれば、加害者としてしかるべき対応をするのはあたりまえのことです。そして被害者として救済していかなければなりません。ですがクレーマーの場合には、本当に被害者であるのか不明のまま被害者として扱うケースが少なくありません。つまり事実確認もできていないまま相手からの言い分だけで被害者と加害者という交渉のポジションができてしまうということです。これだけで会社はプレッシャーを感じつつ対応せざるを得なくなります。プレッシャーを感じるなかでは「断る」ということがさらに難しくなるものです。

そしてクレーマーは、自分として被害者であるのだから便宜を図ってもらって当然と考えています。ですから会社が何かを説明して断ることが許せません。「なぜ被害者である自分が迷惑を被る必要があるのか。会社は自分の言うとおりに動くべきだ」という間違った信念を形成していきます。クレーマーとしては、自分の思い通りに行かないということを受け入れることができないわけです。

クレーマーのなかには、日常生活におけるストレスの口として担当者や会社に不当な要求をしてくることもあります。みなさんもいきなり上から目線で物を言ってくるクレーマーに会ったことがあるかもしれません。こういうタイプは、ときに何かを諭すようなスタンスで担当者を追い込むことがあります。このようなクレーマーにとっては、「自分の意見を聞いて動いてくれる。自分は誰かをコントロールできる」といううがった優越感が根底にあるような気がします。

クレーマーとの心理戦に持ち込んだらたいていの場合にうまくいきません。心理ではなく技術で対応していくことが必要です。そのためのクレーマー対応のノウハウといえます。

クレーマーの心理については、自著のなかでもう少し詳しく説明をしています。ご興味があればご覧ください。

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