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クレーマーの心理:承認欲求と存在意義を満たしたいクレーマーたち

島田 直行 弁護士:島田 直行 投稿日:2019.11.28

いろんなクレーマーを相手方にしていると「なぜこの人はこんなことをいうのだろう」という探究心に駆られることがあります。クレーマーの心理というのは、複雑でわかりにくいものです。声を荒げたり根拠のないことを言い続けたり。周囲からすればまったく理解できない心理のように映ります。

クレーマーの心理

クレーマー対応に限ったことではないですが交渉において相手の心理を考えることは重要です。いくら相手の心理を考えたからといって正解なのかはわかりません。ですが少なくとも「相手のことを理解しよう」という姿勢は交渉においても効果的に作用することが多いでしょう。

さりとてクレーマーの心理をイメージするのはなかなか難しいものです。はっきりいって人によって抱く感情は違うでしょう。「この現実が許せない」「自分だけが不当な扱いを受けた」などあげはじめたらきりがないです。根底にあるのは「自分のことを承認してほしい」という欲求のように感じます。

自分に自信のある人は周囲に対して吠えることはあまりありません。なんというか余裕があるとても言いましょうか。自分の考えなりを落ち着いてゆったりと語ることができます。そういった余裕が交渉でも優位に働くものです。これに対してクレーマーは、そういった自信がないため発言にも余裕がない。とにかく自分の希望をまくしたてることしかできません。相手にプレッシャーをかけることが目的となってしまいます。

高齢者クレーマーから読み解くクレーマー心理

最近特に気になるのが高齢者のクレーマーです。イメージとして年配の人であれば、人生経験も豊富で余裕もあります。昔話でもたいてい「優しい人々」という文脈の中で位置づけられることが多いです。ですが現実には、「こうあるべきだ」と正義を掲げて周囲にとってのクレーマーになってしまう人もいます。こういった方々には、あたりまえですが自分が不当な要求をしているという認識はありません。むしろ自分が間違った世界を正しいという認識があるものです。

良識ある人がなぜこんな言いがかりを

そんなことで悩むこともあります。個人的に感じるのは、良識の背後にあるどうしようもない寂寥感が人を惑わしているということです。仕事一筋であることが美徳のように語られた時代を過ごされた方にとっては、仕事を通じての他者のつながりが圧倒的に多かったでしょう。たまに同窓会で過去の友人に会ってもあくまで自分のアイデンティティーは、名刺にある肩書。そういう時間を過ごした人にとっては、多忙であることが寂しさの解消方法でした。

これが退職をすると仕事を通じた関係性がしだいにうすれてきます。過去に部下であった人がいつの間にか自分よりも目上のポジションにいる現実を目にすることもあるでしょう。部下の成長を喜ぶ人もいればやはりストレスに感じる人もいるはずです。そのなかでしだいに自分の底を流れている寂寥感が水かさを増していくようです。

結果として「自分には社会的に意義がある」という満足感を得たいがために他者を批判して自分の存在意義を模索するようになるのでしょう。こういった人にとっては、他者を批判するのは他者を正すよりも自分の意義を模索する手段になっています。そのためいくら説得しても終わりがない事態になります。

悲しい現実かもしれません。ですがこれが現実です。自分がそうならないように注意しておかないといけないですね。

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