クレーマーの特徴:クレーマーは,こういった言葉であなたの思考を停止させる

投稿者:
島田 直行(弁護士)
2019.10.15 (更新日:2019.10.17) クレーマー対策

誰しもクレーマーから一方的かつ感情的に物を言われると精神的に滅入ってしまいます。言われ続けるとしだいに「ただひたすら批判を受けるだけ」という状況にすらなってしまう危険があります。クレーマーにとっては,担当者が思考停止にいたって自分の言うとおりに動く状況こそ理想的です。いったん思考停止に陥ってしまうと自分のやっていることが正しい対応なのかどうかすらよくわかなくなります。そして「この状況から解放されるなら」ということでクレーマーの指示に従ってしまうことになりかねません。

クレーマーには,相手の思考を停止させるためにいろんな発言をします。そのなかにはクレーマーが共通して口にする言葉がいくつかあります。いずれも面と向かって言われるとたじろいでしまうものです。ですがクレーマーから指摘されたからといってたじろぐことはありません。ここではクレーマーがよく利用する言葉をいくつか紹介しておきましょう。こういった言葉で責められたら慌てず「クレーマーの常套句」というくらいにとらえておきましょう。

1 説明責任を尽くせ
 クレーマーは,「説明責任」という言葉が大好きです。クレーマーのいう説明責任は,事実に対する説明ではありません。あくまで自分にとって都合の良い話がでるまで話は続きます。つまり説明責任と言いつつも実際にはたんに事実を歪曲して自分にとって有利な発言をとりだすための道具にしかなっていない場合が多々あります。自分に有利な展開になるまで「それでは説明になっていない。説明責任を果たせ」ということになります。これは説明責任とは到底いえるものではありません。
 説明責任は,あくまで「説明をする責任」であって「クレーマーが納得できるような事実をお膳立てする責任」ではありません。「こちらとして説明するべきものは説明をしています。あなたの納得できるものであるかどうかは別のことです。それでも説明責任を果たしていないとおっしゃるのであれば司法的判断を仰ぐほかないです」と回答しましょう。

2 個人情報を漏洩しただろうが
 クレーマーは,個人情報という言葉も多用します。「個人情報を適当に扱った」「勝手に個人情報を利用してどう考えているのか」と声を荒げて電話越しにいうときもあります。私たちは,「個人情報が大事」ということはぼんやりと認識していますが実は具体的なところはよく理解していないところがあります。「個人情報を保護する」と聞けば「個人に関する情報は厳密に保管してみだりに第三者に提供してはいけない」という位にしか認識していない人も少なくないでしょう。そもそも法律上の個人情報の意味を正確に把握している人も多くはないでしょう。なんとなく個人に関する情報という曖昧な回答がかえってきそうです。ですからクレーマーには,「具体的にどのような個人情報がなにを根拠に違法と主張されているのでしょう」と質問されるといいです。
 ちなみに氏名とか住所などの基本的な個人情報が漏洩した場合の慰謝料の相場は,5000円~1万円くらいです。はっきりいってさほど高額にはなりないのが現状です。「個人情報が漏れた。高額の賠償責任が」というのは早とちりです。報道などで多額になっているのは漏洩したのが何万人とかにのぼるからです。

3 知り合いの弁護士が
 クレーマーは,「知り合いの弁護士に聞いたら」という言葉もよく耳にします。一般の人からすれば,「弁護士に」と耳にするだけで不安な気持ちになるかもしれません。ですが弁護士といえどもたんなる職業のひとつです。弁護士に相談されたからといって特段不安になる必要もありません。必要であればこちらも弁護士に相談すればいいだけです。
 弁護士がついてもらった方が冷静に話ができるので交渉として楽です。「弁護士に相談した」といっても実際に相談しているのかは不明です。プレッシャーをかけるためだけに相談したといっているだけかもしれません。

クレーマーに対応するときの具体的な心がけは,人気記事の「クレーマーにやってはいけない3つの姿勢」にてご確認ください。

 自著のなかでは,こういったクレーマーの発言についても触れています。切り返し方などについても詳しく記載していますので事前の対策を知りたいという方は一読なさってください。