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後継者・幹部育成

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本を書くこと。そこから学んだ個人的なこと

島田 直行 弁護士:島田 直行 投稿日:2021.06.01

本日から「院長、クレーマー&問題職員で悩んでいませんか?」が正式に発売となった。関係者の方々にはあらためて御礼申し上げるしだいだ。今回の本のテーマは、医療機関におけるひとの問題について。僕は、いろんな規模の医療機関からの相談を受けている。そのなかでも圧倒的に相談として多いのが「ひとの問題」についてである。ひとの問題は、「誰かに相談したい」と思いつつも「誰に相談するべきか」でつまづいてしまうことが多い。ひとの問題=弁護士で対応というイメージもあまりないようだ。結果としてトラブルがかなり進行した段階で相談ということが多いものだ。あらゆる問題に共通することだが、はやくに問題に取りかかったほうが解決もはやい。その一助にしていただければと考えてスキマ時間を積みあげて睡眠時間を減らして書きあげた。ぜひ医療関係者・士業・コンサルタントの方などに手に取っていただきたい。本書は今年2冊目の出版となる。通算で4冊目。ここで本を書くことで個人的に学んだことを参考までにお伝えしておこうと思う。「本をいつか書いてみたい」という方にとって参考にしていただきたい。

執筆の時間はなんとか確保できる。というか生産性が上がる

周囲からは、「事務所の仕事があるのにいつ執筆されているのですか」と質問をいただくことがよくある。僕は、1冊の本を書き上げるには相当の時間を要する。アイデアをだして、整理して、執筆する。そのうえで編集者の方からフィードバックをいただいてさらに書き直す。今回の本でもいったいどれだけの時間を要したかは今となってはわからない。そういった時間を仕事と両立しながら確保しておくにはやはりコツというか覚悟みたいなものが必要だ。僕の場合は、計画を緻密に立てて実行するというのが苦手。だから「今日はここまでする」など綿密な計画を立てながら進めるということはできない。しかも弁護士の仕事は「予想しないトラブル」を前提にするために計画を立てても大抵失敗する。僕にとっては、仕事が何より大事。執筆によってクライアントに迷惑をかけるわけにはいかない。結果として仕事の合間に執筆をすることになる。

仕事の合間というものを作りだすには、なにより「不要な作業を排除」することが大事。今でもぎゅうぎゅうなスケジュールなわけでさらに執筆を加えるだけでは絶対にうまくいかない。まして睡眠時間を安易に減らしてしまうと仕事のパフォーマンスが圧倒的に下がるので滅多に手をつけない。そうなると「なんとなく意味もなくやっていた作業」というものを見つけだし排除することになる。結果として生産性が向上することになる。僕らは、自分で想像しているよりも「どうでもいいこと」に時間を奪われているものだ。ただ「どうでもいいこと」を「どうでもいいこと」と認識するだけの時間がない。忙しいときこそ立ち止まって「これ本当に必要なことなの」と考えてもらいたい。例えば僕にとっては、クライアントの交流こそもっとも大切。その時間を確保するために何を手放すかという意識を持てば「これはやめておこう」というものが見えてくる。あれもこれもという人ほど忙しいわりに結果をだせないものだ。

もしもあなたがなにかを執筆しなければならないとしよう。本でもブログでも何でもいい。そのとき「忙しいからできない」と考えるのはあまりにももったいない。世界はあなたの言葉を待っているのかもしれない。忙しいときこそ立ち止まって生産性を上げるチャンスだととらえるべきだ。

コンテンツはすでにもっている。そこに言葉をつけくわえる

「書くことがないから」という相談を受けることも多い。断言できるは、そんなことはまずない。はっきりいって誰であっても伝えるべきコンテンツはいくつでもある。著名人ばかりがもっているわけではない。それなら僕なんて本にするようなコンテンツを持ち合わせていなかっただろう。世界にはふたりとして同じ人生を歩んだことはない。あなたの人生は、あなたオリジナルな大きな物語のなかにある。人生そのものが語るべきものといえる。とかく慣れていない人は、何かを書くために「書くに値する情報を手に入れなければ」とあせってしまい情報を集めることばかりに意識を向けてしまう。情報をインプットすることは大事だが、それが目的になってはならない。そういった付け焼き刃的なものはたいてい読んでいても自分の本意を伝えることが難しい。「どこにでもある情報」を整理しましたということで「あなた」のいない文書になる。それは味気ない。

僕らは、自分のなかにすでに「語るべき何か」を持っているものだ。問題は、それをうまく言葉で表現することができないということ。言葉さえ見つけだすことができれば、他の人にとって参考になるあなたの文章になる。少なくとも僕は、そうやって自分の本を位置付けている。書くべきコンテンツは、自分の内面に静かに沈んでいる。問題は、それをどうやってすくいあげるかということだ。なんというか僕のなかでは、暗く音もない空間で冷たい水のなかに手を差し伸べるようなイメージ。具体的にはまず「この人に捧げたい」という人を可能な限り具体的にイメージする。たったひとりの人に伝えるように意識して書く。すると意外と広い人から「自分事のように感じた」と共感を得やすい。ここを「できるだけたくさんの読者の方に」と意識すると抽象的でぼんやりとした文章になってしまう。

具体的な読者をイメージできれば、その人と脳内で対話してみる。ここで大事なのは「対話」ということ。「伝える」「教える」という意識が強いと文章もどうしても説教くさいものになってしまう。その人が悩んでいることを聞いて「こうすればいいのでは」というカウンセリングをするようなものだ。一方的に「これが正解だ」と突きつけるだけでは読んでいる人にとってもつらい。そうではなくで読みながら「こうすればいいのか」とじわじわと感じてもらえればベストだ。僕は、自分でイメージした読者と脳内で対話しながら文章を書きあげていく。その人がひとつの回答をみいだすように。

人は支えられている。いついかなるときも

最後に本を書くということは、個人的経験であるようでまったく個人的経験ではない。本を書くにも作者、編集者、デザイナー、印刷担当者、営業担当者、配送担当者などたくさんの方が関わっている。僕自身がお会いしていない方もたくさんいらっしゃる。それでも著者として名前が挙がるのは僕ひとり。僕ひとりだったら印刷ひとつできるはずもないのに。僕らは、見えないところでたくさんの方々に支えられながら今日という1日を過ごしている。

子どもじみた話かもしれないが「ありがとう」という言葉を伝えるのは、おそらく社会をよくしていくうえでもっとも単純で効果的な方法だと考えている。おそらく「それはそうだ」と軽くあしらわれてしまうかもしれないが、それほど簡単なことではない。日々の業務が多忙になるほどに「あたりまえ」のことのように感じて感謝の言葉を伝えるのを忘れてしまう。それはあまりにも残念なことだ。

今回の本にしても出版社の方にはなんども参考になる意見をいただいた。意見をいただくことに「なるほど」とうなることばかり。あるいは僕が執筆をすることでスタッフにもいろいろ負担をかけた。意見を聞いたり、日程の調整をしてもらったり。たくさんの方が支援してくださったからこそ1冊ができあがった。あらためて関係者の皆さんに。本当にありがとう!

また感想などもお待ちしております。

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